濾過のことをイチから考える

水槽で魚を飼うにあたって重要なのは”濾過能力”。でも濾過機材とろ材をマニュアル通り設置すればとりあえず飼育は出来るってぐらいには機材が進化したので、濾過についてしっかり考えたことが無い人もいるんじゃないでしょうか?
今回は濾過について初歩から考えていく内容です。ベテランさんも初心を思い返して読んでみてください。
濾材自体は水質浄化能力が無い?!
水槽をスタートするには生き物を飼育できるように濾過装置をセッティングしますが、そのときに”濾材”を使いますよね?
『濾材で水をキレイにする』というような説明や謳い文句で商品が販売されています。
あれを見ると「濾材が汚れを分解している!」と感じますが、実際汚れを分解しているのは濾材自体ではありません。
分解しているのは濾材に住み着く”微生物”です!
濾材は水をキレイにしてくれる微生物を住まわせて増やしていくためのアイテムだと思ってください。
微生物って言うと細菌とかそういうのをイメージされるかと思いますが、細菌の中にも良いことをしてくれる細菌もいれば悪さをする細菌もいます。
濾材の中にはいい微生物を増やすことでいい水槽環境を維持できます!
濾材はバクテリアたちの住処
「良い濾材とは?」その疑問に一定の答えを用意するとすれば
『より多孔質な濾材』ということでしょう!
多孔質=非常に小さな穴がたくさんある、より多くの隙間が存在するものです。
濾材は水をキレイにする微生物=バクテリアを住まわせる家のようなもの。バクテリアはとても小さな生物で、多孔質な素材はバクテリアがより多く住み着くことができます。多孔質構造で出来上がった隙間が多ければ多いほどバクテリアたちが入り込めるわけですね。
そのため濾材売り場で商品を比較してみるとパッケージに「多孔質」とか「表面積」というワードを見かけるんじゃないでしょうか?
多孔質であると表面積が増えるので、これらのワードがメーカーとしては濾材の効能を謳う指標になるんですね!その点では多孔質構造じゃなくて表面が非常に細かい凸凹な構造になっているものも濾材としては優秀、その凹凸にバクテリアが住み着きやすくなるからです。
濾材選びでポイントがよくわからず「とりあえず何でもいいか。」と思っている方は「多孔質」または「表面積」を意識して選んでみるのをオススメします!

濾材はどこに売ってる?
水槽はアクアリウムショップだけじゃなくホームセンターにも置いてあったりします。
でも”濾材”単体で考えたことって少ないんじゃないでしょうか?
「濾材はどこにある?」と聞かれると意外と答えられないかもしれませんよ。
そこで濾材を簡単に調達できる場所を3つ紹介。
①ネット通販~手軽に調達するならやっぱりコレ!~
直接買いに行くとお店に行く時間もかかるし、店内のどこに濾材コーナーがあるか探し回る時間も必要。
そんな手間がかからないのはやっぱりネット購入!今ではアクアリウム用品専門の通販サイトもあるので品揃えも十分あります。
唯一の欠点とすれば実物を見てチェックできないところだけでしょう。
②アクアリウムショップ~ここが一番間違いない~
ここであれば熱帯魚店だろうが海水魚専門店だろうが間違いなく濾材はあります!
品揃えも専門店なのでホームセンターよりは多いでしょう。
注意してほしいのは濾材にも淡水向けと海水向けがあったりしますので、用途に合わせて選びましょう。

③100均~実は売ってる!~
実は100円ショップにも濾材が売ってることがあります!
濾材にこだわらず、まずは始めてみたいって人は100均で探してみてください。
ここで買えれば一番低コストで始められるでしょう。
”良い濾材”とは?
濾材の質は重要ですが、「良い濾材はどれ?」って聞かれると、どう答えればいいか?
とにかく高い濾材が良い濾材なのか??
これについて答えるなら、良い濾材というのは【いいバクテリアが付いている濾材】というべきだと思います。
水の汚れを取っているのは濾材自体じゃなくて、濾材に住み着いている微生物=バクテリアです。
となれば良い濾材というのはガンガン水をキレイにしてくれるバクテリアが沢山住んでいる濾材ということになるんです。
そのため「高い濾材であればすぐに水をキレイにしてくれる」と考えるのはちょっと違う…というわけです。
このバクテリアと言うのは時間をかけて徐々に増殖していきます。
なので極端な話、安い濾材でも良質なバクテリアが沢山住み着いているなら良い濾材に成り得るんです!
ただ当然高い濾材というのはそういったバクテリアが増殖しやすく、より多くのバクテリアを保持できるように工夫が凝らしてあるので、その点では『高い濾材=良い濾材』というのも間違いではありません。
しかし高い濾材を使っても水槽が上手くいかない方はバクテリアが上手く育てられてない→良い濾材になっていないのでそこを見誤らないようにしましょう。
濾材の代用品はある?
水槽を始めるにしても予算はあるもの。
「なるべく低予算で…」と考えたときに「濾材って眺めるものでもないし、最低限でやりたいな…」と思う方のために濾材の代わりになりそうなものを紹介。
①テキトーな砂利でもいい

極端な話ですが、そこらへんの砂利でも濾材になり得ます!
濾材はバクテリアが沢山住めればいいので、その辺にある小石や砂利でも濾材としての機能は備わってきます。サバイバルで水を濾過するのに砂利を使う場面もありますからね。
ポイントを挙げるなら、なるべく軽石のような表面がザラザラした石とかがベストですね。その方が表面積が増えてバクテリアも付着しやすいです。
ただ、そこら辺の砂利とは言ったものの海岸や河原で石や砂利を拾う行為は法律違反になる可能性が高いです。土石は行政の管理が厳しいので。
なのでホームセンターでガーデニングや庭用の砂利を買ってくるのがいいでしょう!
②植木鉢~割れた植木鉢ありませんか?~
バクテリアが付着しやすい→表面がザラザラしたもの・多孔質のもの
なんですが、植木鉢がけっこう使いやすいです。
お家に割れた植木鉢、放置してたりしませんか?
それを適度に砕いて使えばわりと濾材として使えます!だいたい2~5cmくらいに砕くといいでしょう。細かすぎると目詰まりするし、粗すぎると表面積が稼げないのでそこはうまいこと調整する必要がありますが…
こういった身近なモノを濾材として代用することも可能です。最初はバクテリアがいないので何の効果もありませんが、”バクテリアは時間をかけて熟成させるもの”。しばらくすると濾材としての効果が発揮されるようになっていきますよ。
③スポンジ〜新品で余らせてるものがあるなら〜
実はこれも濾材の代用になりえます。スポンジって小さな空洞が沢山あるのでバクテリアが住み着くのに適してるんです。
食器洗い用の柔らかいスポンジよりかは硬めのものの方が濾材適性は高いです。
気をつけないといけないのは食器洗いとかで山ほど洗剤を使用したスポンジを瀘材として再利用するのは止めましょう、絶対洗剤が残ってて悪影響が出ると思うので!
④コンクリートブロック〜ただしアク抜きはした方がいい〜
これも濾材として使いやすいです。表面ザラザラで構造は多孔質に近いので濾材適性がありますね。
ただコンクリートからは重金属などの成分が溶け出すことがあるので、そこは注意。アク抜きで1か月ほど付け置きした後に使うと少しリスクは減りますね。ただずーっと溶け出し続けることもあるので、デリケートな生体を買う時は避けた方がいいかも。
いちおう水に長時間浸けたまま何回か水換えをすることで”アク抜き”にはなるそうです。ちゃんと抜けたかどうかの確認が難しいという難点はありますが…
このように身近なものでも濾材代わりになるものはあります、ただやっぱり推奨は市販・正規品の濾材ですけどね。
濾材って何円ぐらい?
濾材はそこらへんの砂利とか、極論タダで調達したもので代用することもできますが、
やはり水槽にはアクアリウム用の濾材を使用するのがベスト。
では濾材はどのぐらいお金をかければ調達できるものでしょうか?
「いくらぐらい」と言っても水槽サイズによって必要な濾材の量は変わります。
なので1リットル単位で金額を考えてみますと、
安い濾材であれば、¥800/1Lくらいで調達できます。
だいたいセラミックのリング濾材がそのぐらいの値段で売っていますね。リング濾材は水通りの観点からも濾材として理にかなった形状なので代表的な濾材ですね。

そして高い濾材は、¥3,000/1Lくらいでしょうか。
人工的に作られたスポンジ状の物など、各社がバクテリアの増殖・保有率を考えていろんな商品を発売しています。

スポンジ状の濾材は手入れが楽でけっこうオススメですよ!
水換えの時の捨て水とかの中でクシュクシュ揉み洗いして戻せばそれで手入れ終了です。
それと大き過ぎるなら簡単にカットできるのも便利なところ。
あとは水槽の大きさや全体のシステムを考えて濾材の量を調整しましょう。…と言っても濾材の適量ってわかりにくいですよね…そこである程度の判断基準を言うと
水が濁りやすかったり魚がなかなか長生きしないのであれば”濾過不足”が考えられるので濾材を足してください。
少ないよりかは多い方がいいので、予算的な制約がないなら濾材は入れれるだけ入れといた方がいいでしょう。(脱窒狙いや低栄養塩を目指してる場合は濾材をむやみに増やさない方がいいですが…)
あと、【水量10Lに対して濾材1L】という目安も言われてたりします。判断が難しいならまずはコチラを目安にするのもいいでしょう!
濾材はどこに置く?
濾材は外部フィルターや上部フィルターであればフィルター内に入れておけば大丈夫ですが、オーバーフロー水槽の場合は濾過槽(サンプ)のどこに入れておけばいいのでしょう?
特に意識せず濾過槽に入れているだけじゃないでしょうか?
それでもダメじゃないんですけど、濾過についてよく考えるなら濾過槽の置き場所にまで気を配りましょう!
濾材を置く場所として最適なのは水通りが良いところです!すごくザックリ図解するとこんな感じ↓


”水通り”と言うとわかりにくいかもしれませんが、簡単に言い換えると水の流れがあるところです。
例えばウールボックスから水が落ちてくる部分だったり、機材の戻し水が来る所だったり。同じ濾過槽の中でもけっこう流れは変わってるんです。
濾過槽の隅は水の流れが弱かったりしますので、そこはあまり適切じゃありません。
ではなぜ水通りが良い場所がいいんでしょうか?
それは濾過バクテリアの酸素消費が激しいからです。
なので淀んだ場所より新鮮な水がどんどん来る場所の方がバクテリアが活動しやすいんですね。
バクテリアは目に見えない微生物だから酸素消費について考えたことなかったんじゃないでしょうか?
濾材の育成失敗…
濾材は時間をかけてバクテリアを増やして完成させると言ったんですが、ただ濾材を放置しておけば瀘材が完成するというわけでもないんですよね…
例えば何年も使い続けた濾材、新たに別の水槽で使えばすぐにでも濾過が機能してくれると思ったけど、全然魚が定着しない…という事態がわりとあります。
これについて考えられるのは
①悪性のバクテリアの方が多くなっている
濾材の中では常にバクテリアが繁殖・死滅を繰り返していますが、そのバクテリア達にもいろんな種類があります。その中には病原性細菌だったりバクテリアをエサにして濾過で役に立たない種類だったり…
長い年月のうちにこのバクテリアのバランスが悪くなって悪い奴らだらけになってしまってる可能性があります。
②濾材が死んでる:濾材にバクテリアの死骸が堆積してる
”濾材が死んでる”というのは我々の俗称でして、生き物じゃない濾材に”死ぬ”という概念は無いです。が、濾材に住んでるバクテリアは生き物だから死にます。
そして多孔質な濾材の内部に死んだバクテリアが堆積して、ずーっと悪影響を及ぼすことがあります…
そういった濾材は色が悪かったり、そもそも匂いが臭くなってます…。
このように濾材を熟成させると言っても、ただ放置してた結果爆弾同然になることも…
濾材のメンテナンス~キレイにし過ぎない方がいいことも!
濾材もメンテナンスしないと悪性の菌が増えて状態が悪くなることがあります。
では濾材のメンテナンス、どうやってやればいいのでしょうか?
まず、濾材は『洗いすぎない』というとこを注意しましょう!
濾材はバクテリアの住処。洗いすぎると大量のバクテリアが流出してしまい濾過のバランスが崩れてしまいます。
「何度も洗って汚れが出なくなるまで掻き回してます!」というのはNG!それバクテリアいなくなってますよ!!
濾材を洗う目的は堆積したヘドロを除去して詰まりを解消する程度でOK。その掃除対象のヘドロですらバクテリアの住処として大量のバクテリアがいたりしますからね。
あと濾材を洗う時は水槽の水を使うとベストです!急に水質が違う水で洗うとバクテリアが死んでしまうことがありますので。
だいたい濾材のメンテナンスって水換えの時にすると思うので、捨てる水でついでに洗うといいですよ。
海水水槽の方で絶対にやらないでほしいのは”濾材を真水で洗う”という行為。これはバクテリアの大量死を招きますので…
水道水で水洗いはNG!
濾材はたまには掃除するのを推奨してますが、そのときにやりがちなNG行為、それが『濾材を水道水で洗う』ことです。
一見キレイな水道水で洗った方が良さそうに思いますが、これがホントに良くない…。
まず水道水には塩素=カルキが入っていますので、微生物にとってはキツイ成分。
これでバクテリアが死んでしまいます。
あと水槽の水環境に慣れていた微生物たちが水道水を浴びると水環境の急変が影響してしまいます。
特に海水水槽の濾材は水道水で洗ってしまうのは絶対NG!海水と淡水では全く違うので、もう説明不要かと。
濾材掃除の”適度”がわからない…そんなときは『50:50』で!
濾材の掃除ではバクテリアの減少を防ぐために洗いすぎないことを推奨してますが、
「たまにしか掃除しないんだから、洗う時はしっかり洗っておきたい!」
「中途半端に洗うと汚れ具合が気になる…その残りに悪性のバクテリアがいるのでは?」
とか思ってしまうかもしれません。
そもそも目に見えないバクテリアの減少具合を確認する方法も無いですからね…
そんな「ちょうどいい洗い具合がわからない」「洗う時はしっかり洗いたい」「ついつい洗いすぎてしまう」という時にはこんな方法がオススメ。それが
「半分ずつ洗う」という方法。
例えば今月は50%だけ洗って、残りは来月に洗う。そうすればバクテリアが全滅するという確率はほぼ無くなります!
例えば濾材は半分ずつ濾材ネットで分けておけば次回掃除するのはどっちか、わかりやすくなりますね。

濾材の掃除って必要なの?
濾材の掃除について、注意しないとバクテリアの減少でトラブルが起きる、という話ですが「それならば掃除なんてしない方がいいのでは?」と思うかもしれません。
しかしそれでも時々掃除はするべきだと思います。
(メンテナンス現場によっては濾材は絶対にいじらない方がいい、という場面もありますが…)
掃除すべき理由①詰まり解消
濾材には次第にデトリタス≒いわゆる泥が溜まっていきます。これをそのままにしていると水通りが悪くなって濾過効率が落ち、バクテリアの数も減っていってしまいます。
掃除すべき理由②悪性バクテリアのリセット
濾材の中には濾過に役立つバクテリアだけじゃなく、どうしても病気のもとになる悪性のバクテリアも増えていってしまいます。これらが増えすぎてバクテリアバランスが崩れてしまう前に掃除をして環境をリセットして整えることが大事です。
このような理由があるので、やはり濾材はたまに掃除したほうがいいですよ!
濾過バクテリアには『好気性細菌』と『嫌気性細菌』がある
濾過バクテリアには好気性細菌と嫌気性細菌の2種類が存在します。
好気性細菌=好気性バクテリアは酸素が豊富な環境で活発に活動するバクテリア、これが水槽の汚れ=アンモニアを分解するバクテリアです。
基本的に水槽内で活躍する、いわゆる”水槽の立ち上がり”の目安になるバクテリアはこの好気性バクテリアです。
そして対極に位置するのが嫌気性細菌=嫌気性バクテリア。これらは酸素が少ない砂の深部やライブロックの奥底に存在するバクテリアです。
この嫌気性細菌は”脱窒”という、好気性バクテリアが活動の最終段階の分解できない成分”硝酸塩”や”リン酸塩”を処理することができる細菌。
淡水水槽では水草が吸収してくれるので特に意識しないかもしれませんが、サンゴ水槽ではこの嫌気性細菌がおおいに役立つんです。
サンゴ水槽で増えすぎると困る硝酸塩とリン酸塩を処理してくれるのはとてもありがたい存在だからです。
そんな嫌気性細菌を増やすなら、今まで書いた濾材・バクテリアに配慮したアプローチとは逆の行動をとることになります。
①水流が当たりすぎないようにする
嫌気性細菌は酸素が少ない環境で生息するので、水流が当たる場所では嫌気性細菌が減ってしまいます。濾材に嫌気性細菌を増やそうとするなら水が淀んだ場所の方がいいでしょう。
リング濾材など水通りを意識した水槽の場合は嫌気性細菌の繁殖はほとんど期待できないので注意…
②濾材をミッチミチに詰める
濾材を細かく砕いたりして密度を高めることで水通りを悪くして嫌気性細菌が繁殖しやすい環境を作ることも可能です。
要は酸素が届かない環境を意図的に作れば嫌気性細菌の繁殖も期待できます。
好気性と嫌気性の役割~嫌気性細菌もコントロールすれば上級者!
↑で少し触れましたが好気性細菌と嫌気性細菌の2種類が存在しており、それぞれが別の役割を持っています。
従来は水槽のバクテリアは”好気性細菌”がメインでしたが、アクアリウム業界の知識が蓄積して近年は嫌気性細菌まで活用できるように飼育ノウハウや機材が発展してきました!この2種のバクテリアについてもう少し詳しく触れましょう。
①好気性細菌
コチラは魚の排泄物を分解して毒性が低い硝酸塩に変換する活動を行います。
順序としては『魚の廃棄物=有機物→アンモニア→亜硝酸→硝酸塩』
という分解過程があり、これをやっているのが好気性細菌なんです。
生き物にとって有害なアンモニアと亜硝酸は早急に取り除かないといけないため、水槽を安定させるには好気性細菌を充分に繁殖させることが最優先課題です。
好気性細菌が必要量揃えば生き物が飼えるため、基本的に水槽飼育ではこの好気性細菌のみが注目されます。
②嫌気性細菌
そして嫌気性細菌は、好気性細菌がこれ以上分解できない硝酸塩を分解できる希少な存在です。
順序は『硝酸塩→亜硝酸→窒素』(細かい部分は省略してますが、)
という分解過程で、最終的に窒素は水面から大気中に放出されていきます。
従来分解しきれない硝酸塩を減らすために水換えが必要だったんですが、嫌気性細菌が充分に存在していれば理論上水換えが不要、ということになるんですね。
自然の海が成り立っているのは好気性細菌と嫌気性細菌が上手いバランスで存在しているからなんです。
そんな便利な嫌気性細菌ですが、あまりメジャーじゃないのにはそれなりの理由がありまして。
①増えるのに時間がかかる
好気性細菌以上に増殖するのに時間がかかる種類ばかりなので、こいつらを活用しようとするなら数ヶ月とは言わないレベルの長い期間をかけて増やしていく必要があります。そして酸素に触れると弱るのでとてもデリケート、管理が難しいです。
②バクテリア剤で簡単に追加できない
各社いろんなバクテリア剤を発売していますが、嫌気性細菌が封入されているバクテリア剤というのはごく僅か。「酸素に触れるとダメ」という性質を考えると安定的に増産・販売する難易度はわかってもらえるんじゃないでしょうか…
③硫化水素だらけになるリスク
「嫌気性細菌を増やしたいので底砂をめっちゃ分厚く敷きました!」
「濾材を濾過槽にミッチミチに詰めてます!」
↑こういった行為を安易にやると後々大トラブルに見舞われるリスクが…。
というのも嫌気性細菌の中には分解の過程で硫化水素を産出する種類がいます。これが嫌気性環境ではしょっちゅう発生するもんでして。
硫化水素は猛毒なので生き物も死ぬし、発生すると水槽から危険な臭いがします…
崩壊した水槽の片付けをしたことがある方なら、砂を取り出す時に灰色になった砂を見たことがあるんじゃないでしょうか…?あれは硫化水素が発生している状態です。
メンテナンス業をやってると何度も見ることになるんですが、これの処理が臭いもキツくて大変なんですよね…
硫化水素だらけになって処理したくても手を付けられないって方こそ、メンテナンス業者に依頼するのが吉です、廃棄までやってくれますからね。。。
そんなわけで嫌気性細菌は良いところだけでなくリスクもあるので、扱いが難しい上級者向けの濾過バクテリアなんです。
ということで瀘材についてイチからお話ししてみました。
超初歩的なことからちょっと踏み込んだ内容まで書いたつもりですが、どうだったでしょうか。中には「やったことある〜」とか「私も使ってるアイテム」というのもあったんじゃないでしょうか??
