エビのワクチンは開発不可能?!エビの免疫について

淡水でも海水でも水槽内で活躍することが多いエビですが、エビのワクチンって開発不可能なんじゃないか?という話。
エビを飼育している方はちょっと読んでみて欲しい記事です~
エビのワクチンが開発されない?どうして?
エビだけじゃなく”無脊椎動物”についてですが、「ワクチンが開発されない」という記述を見たことがあります。
「エビ類には魚病薬は使えない」と言われ、病気が発生すると対処が難しい案件。養殖業でも病気が発生するとある日突然全滅して億円規模の被害が出ることもあるとか…
そんなアクアリウムでも養殖業でも利用頻度が高いエビたち、ワクチンがあればいいのに…と思うのですが未だに開発されてないのにはどうやら無脊椎動物特有の事情があるようです…
ワクチンってどんな仕組み?
無脊椎動物のワクチンの話の前に、まず知っておきたいことがワクチンについてです。
私たち人間もインフルエンザワクチンなど、ワクチンを利用することはありますよね。あれはどんな仕組みかと言うと
『弱らせたり死んでるインフルエンザウイルスをあえて体に打ち込むことで、ウイルスの抗体を創り出し予防できるようになる』というのがワクチンの仕組みです。けっこう有名なのでご存知の方は多いかな?
人間で言うと白血球がウイルスたちを倒して体を守ってまして、これを『免疫』と言いますね。
白血球などの免疫がウイルスの対抗策として『抗体』や『抗原』を作ってくれます。
この抗体や抗原が今回の話で重要になってきます!
無脊椎動物は抗体を作れない?!
人間の白血球はどこで作られてるか?これは脊髄の造血幹細胞から作られています。
となると、無脊椎動物は…?
そう、無脊椎動物は免疫~抗体や抗原を作る場所が無いんです…
そのためワクチンを投与できたとしても抗体を作れないので意味が無いと考えられているようです。
エビは病気に成す術無しなのか…?
ではエビなど無脊椎動物は病気に対しては対抗策無し、やられ放題なのか? これについてはそうでもないんじゃないか、という研究があるようです。
まず無脊椎動物にも『自然免疫』というものは備わっています。これは生まれながらに元々持ってる対抗策です。
↑で説明した白血球などが行う「侵入してきたウイルスに対して作り出す抗体」は『獲得免疫』と言います。
獲得免疫がある脊椎動物は未知の病気に対してもいずれ抗体が出来てくるんですが、
自然免疫だけの無脊椎動物は「生まれながらに知ってる病気に対しては対抗できるけど、新しい病気に対しては何もできないよ…」ということです。
この自然免疫ってのは”記憶機能が無い”と言われてまして。同じ病気に何度かかったとしても、それに対して抗体が強化されることは無いそうです…
無脊椎動物独自の免疫機構がある可能性が…!
そんな無脊椎動物ですが、病気に強い個体が出現することがあるのは昔から報告されているようです!
そのため無脊椎動物独自の獲得免疫機構があるんじゃないか、と長年研究されているようです。
エビなど甲殻類は血液中の血球や酵素が異物に対して殺菌など抗体的な反応を示すことが発見されているようです。
貝類やウニにも同様の反応が発見されているようです。
クルマエビでビブリオ病を耐え抜いた個体が、その後感染に対して高い抵抗力を持った事例もあるようです!
ただ、それでも無脊椎動物の免疫についてはわからないことがまだまだ多いようで、引き続き研究が進むことを願うばかりです。
【まとめ】
- エビなど無脊椎動物は抗体を作れないのでワクチンが効かない、と言われている
- でも抵抗力を獲得する個体もいるので無脊椎動物独自の免疫機構の存在が議論されている
魚たち脊椎動物と違い、エビは病気に弱いと言われてるのは免疫のところが要因のよう。
エビに魚病薬が使えないのもこのあたりの事情が関わってたりするんでしょうかね?魚病薬は抗体とは関係ないはずですが…
薬の成分がエビの機能に有害とは聞きますが、どの成分がどこの器官にどう影響を及ぼすのか…このあたりの科学的根拠が知りたいところです。何か情報仕入れたらまた記事にしようと思います~
