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水質は上限よりバランスが重要か?

#サンゴ水槽#水槽メンテナンス業者#水槽飼育#海水水槽#飼育難易度

サンゴ飼育に於いて水質は重要で、目標の数値は確かに存在する。しかしそれを逸脱しても上手く飼育できる事例がある。重要なのは数値の上限よりバランスなのではないか?という考察の話。

水質には比率目標がある~N/P比は100:1

水質には各項目に目標値・上限値はあるが、他の項目との比率を重視する項目がある。例えば通称【N/P比】 つまり硝酸塩とリン酸塩の比率がある。

これは【硝酸塩:リン酸塩=100:1】の割合が最適とされている。

例えば硝酸塩が2ppmであれば、リン酸塩は0.02ppmに調整しよう、ということです。

比率で上手くいったと思われる事例

サンゴ水槽事例
↑チョウジガイ系、いわゆるユラユラ系サンゴの水槽

水質目標を脱しても育つサンゴ水槽

過去のメンテンナンス事例の経験からの話。

↑の画像の水槽はOF水槽で月2回の作業で管理していた水槽。水質データは

硝酸塩10~20ppm
リン酸塩0.1~0.2ppm
pH8.0~8.2
KH8.5dKH

おおよそこのぐらいの水質で推移していました。

正直リン酸塩はもっと下げたいところだが、硝酸塩:リン酸塩=100:1 の比率はキープしており、この間ポリプも増えていき飼育に問題ない調子でした。

数値がブレても比率を維持すると調子は崩れなかった

その後リン酸塩の数値が0.4ppmまで上振れることがありましたが、その時はNO₃PO₄Xの添加量調整で硝酸塩の値を上げて100:1の比率をなるべく崩さないようにすると、変わらずの状態を維持していました。

状態崩さないうちに調整をかけてリン酸塩の数値を0.1~0.2ppm付近に戻していきました。

※とはいえ、変動速度が速いと比率を維持しても調子を落としていた可能性は高いと思います。

業者メンテナンスでサンゴを飼育することの難しさ

完全お任せでサンゴを飼育するのは難しい

これは正直に言いますが、メンテナンス業者に完全お任せでサンゴを飼育するのはかなり困難です…

魚水槽ならまだしもなんですが…サンゴはある程度お客様にも管理を手伝ってもらう必要がある部分が出てきます。

完全お任せで水質管理をするのは至難のワザ

完全お任せでサンゴが難しい理由が水質管理。

前の記事で書きましたが水質管理において定期的な検査で変動を見ながら調整していくのですが、その調整チャンスが訪問するタイミングでしかないからです。

そして訪問期間もお客様・私たちの都合もあるので、「かならず〇日おきに訪問」というのが難しいため、水質検査の期間を固定することが難しいんですね…

なので数少ない回数と変動する期間から、次回までの変化を予測して添加剤や換水量を調整する必要があります

ある程度はお客様にお願いする作業も必要だが…

↑の画像の水槽に関しては完全お任せ。強いて言うなら空調で温度管理だけはお願いしてましたが。

サンゴ水槽2
個人宅水槽3上見

こちらの水槽は空調の温度管理と足し水だけはお願いしていました。

ちなみに月2回の作業で、水質データはこちら

硝酸塩0.00ppm
リン酸塩0.04~0.08ppm
pH7.8~8.0
KH5.0dKH

N/P比は全然ぶっ壊れてるし、KHもおかしい数値でしたが、キレイにいってました。ゴールドトーチのポリプも増えてたし。なんでだろ…笑

記事の本筋とは離れてますが、最低限温度と足し水だけのお願いでも上手くいった事例です。

お任せ管理でサンゴ水槽をするには比率を重視した方がいい説

考察としては業者メンテナンスでサンゴ水槽を維持するなら水質を理想値に収めるよりは比率を維持することに重点を置いた方が成功すると経験上感じています。

業者メンテナンスで理想値内に収めることは難しい…

水換えの頻度や添加剤の調整回数から理想値に収めるのは難しい、特にリン酸塩…0.1以下ってめちゃくちゃ難しいんです…

理想値に収めるより比率を維持する

なので別の項目との比率を維持することを意識してます。減らすのが難しい数値を下げれなくとも別の値を調整して状態を維持できるので。硝酸塩のコントロールはわりと簡単なんですよね。

ちなみに…サンゴ水槽を維持するのに必要な訪問回数は?

サンゴだったら最低月2回は必要と思ってます。

SPSだと月2では…設備をガンガンに強化すれば何とか…って感じかな。。。

スターポリプやウミキノコあたりのソフトコーラルなら月1回でもいけたりすますが…

では海の比率はどうなってる?

世界の海の平均値”レッドフィールド比”

実際の海の水質はどうなっているか?これは有名な調査結果があって

【レッドフィールド比】っていうものがあります。

レッドフィールド博士が世界中の海の水質を調べた結果の平均値でして、

炭素(C)窒素(N)リン(P)において C:N:P=106:16:1 であるといった結果です。

レッドフィールド比にはこの3項目以外の成分もありますが、そこは今回割愛します。。

↑のN/P比もこの話の中で出てくるものですが、これは窒素NとリンPの比率なので正確には硝酸塩NO₃とリン酸塩PO₄の比率とは言えないんですが、そこまで細かく意識しなくてもいいです笑

水槽もレッドフィールド比に合わせた方がいいのか?

これについては”ノー”だと思います。

レッドフィールド比を参考にするなら硝酸塩とリン酸塩の比は16:1です。しかし実際に管理してると100:1がやはり調子がいいと感じます。

おそらくこれは海と水槽ではそもそもの環境が違うので、単純に海の比率を水槽には当てはめられないんだと思います。

【まとめ】

  • 水質はN/P比=100:1を目指した方がいいだろう
  • メンテナンス業者管理では個人管理と違うアプローチで管理するのが最適と思われる
  • レッドフィールド比は参考にはなるが、水槽にそのまま当てはめられるものではない

今回は考察の記事でしたが、経験上このような考えでメンテナンスをしています。

※硝酸塩:リン酸塩=100:1というのは考察ではなく近年のトレンドとして共通認識です!

この記事の著者

AQUASCAPE

首都圏でアクアリウムの大手メンテナンス会社に勤務し2000回以上のメンテナンスを経験。
アクアリウムの魅力を広げるため初心者向けのコンテンツからディープな話まで幅広く情報発信をしている。
個人宅の水槽からオフィス・クリニックの水槽まで、前職の経験に基づいたアドバイスを提供していきます。
1991年生まれ。

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