魚のウイルス病~まるで地球外生命体?!ウイルスという存在~ | AQUASCAPE

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魚のウイルス病~まるで地球外生命体?!ウイルスという存在~

#マリンアクアリウム#水槽メンテナンス業者#水槽飼育#海水水槽#飼育難易度

ウイルス

魚の病気に悩んだことはありませんか?多くのアクアリストが一度は直面した悩みでしょう。

この記事では病気の中でも”ウイルス病”について理解し、病気の対処のヒントを探ります。

そもそも”ウイルス”とは?

まずウイルスと細菌、同じようなものだと思ってる方が多いんじゃないでしょうか?

前の記事でも少し触れましたが、ウイルスは”生き物”とは呼べない、不思議な存在。どっちかというと物質に近いそうです。

この”生き物かどうか”の基準が【自己増殖ができるかどうか】だそうです。細菌というのは単細胞生物なので分裂して自己増殖ができます。でもウイルスは分裂して自己増殖ってことができません。ウイルス体というのが細胞では無いんです。

なのでウイルスは細胞とは言えない存在だそうです。

ウイルスの増殖方法

ウイルスは細胞に感染し、その細胞を利用して増殖するんです!

ウイルスは生き物じゃないけどDNA/RNAは持っています。でもこれを自分で増やせない。さてどうするか?

イメージを言うと他の細胞のDNA/RNAを増殖させてるとこに自分のDNA/RNAを流し込んで代わりに増殖してもらうんです。カッコウの托卵のようなずる賢い増え方です…そして感染された細胞はダメになってしまうパターンがほとんどです…。

しかし逆に言えば感染する宿主がいなければ増殖することもできないんです。

ウイルスは細胞より小さい?

これは一概には言えません。細胞と同じくらい大きいウイルスもいます。

ただ、ほとんどはウイルスの方が細胞より小さいことが多いです。

ウイルスの厄介なところ~性質が変わる変異株~

ウイルスの厄介なところは『変異株』がよく発生することです。

インフルエンザウイルスもA型やらB型やらよく聞きますよね?どうやらウイルスというのは変異がしやすいそうです。細胞以上に組織がシンプルで構成要素も少ないからなのか、かなり変異の発生率が高いようです。

ウイルスにはDNAやRNAが1本だったり2本だったり、いろんな形状があります。ちなみにリムフォシスティスウイルスはDNA2本鎖構造だそうです。そしてRNAのウイルスは変異発生率が高いのだとか。DNA/RNAには塩基配列によって生き物の情報が保存されてますが、RNAウイルスはこの塩基配列の置換速度が他と比べ物にならないくらい早く、100万倍以上だという話も。(ややこしいですが100万倍以上変化する、というわけではない。速度が速いって話だそうです)

リムフォシスティスについては変異株の話はあまり聞きません。そもそも研究されてないだけで実は沢山あるのかもしれませんが…何か月も蔓延し続けることも少ないので変異株の観測自体難しいでしょう。

ウイルスの感染経路

ウイルスは増殖したらそれらが水中に放出され、また新たな宿主を見つけて感染が進みます。魚の場合、水を介してウイルスが移動するので空気中以上に感染しやすい環境。感染魚がいると高確率で他の魚にも感染している可能性が高いです。ただ免疫がしっかりして抵抗力がある魚であれば発症せずに済みます…

しかしウイルスを保有した状態の可能性は高く、実際感染はしていても病気にならない、『不顕在感染』という状況があるんです。

「病気にならんのならいいんじゃない?」と思いがちですが、これが厄介…ウイルス自体はどんどん広がっていってるのに気付けないんです…!そのため感染元の魚はピンピンしているが、そいつがどんどんウイルスをまき散らした結果周りの魚が軒並み感染していく…という最悪なパターンがあるんです。

ちなみにウイルスは親から子へ伝染することがあります。これを『垂直伝播』と言いますが、親は病気にならなかったのに子が病気になった、という現象が起きるんです。

ウイルスへ病の治療~ポイントはDNA/RNAの破壊~

コレも前の記事で触れましたが、ウイルスへの対処で有効なのが

  • ヨウ素消毒
  • 紫外線(殺菌灯)
  • オゾン照射(オゾナイザー)

が有効と考えられます。ヨウ素は遺伝子の感染力を失わせる(=不活化)効果があり、紫外線とオゾンはDNA/RNAを破壊する効果があります。これによってウイルスの増殖を防ぐ効果が期待できます。

さらにウイルスにはそれぞれ増殖しやすい温度『至適温度』があり、その温度から外してやると増殖力が減退するようです。養殖魚で発生するノビラブドウイルスは20℃以下で増殖するが23℃を超えると全く増殖せず、逆にウイルス性神経壊死症の原因であるNNVは15℃前後で増殖するが高水温になると全く増殖しない。

そのためウイルスによっては温度調整で抑制することもできるようです。ただリムフォシスティスに関しては適温の情報が無かったので、こちらは温度調整は無意味かもしれません…

【まとめ】

ウイルスは”生き物”では無い謎の存在

他の細胞を利用してDNA/RNAを増殖する(何かの細胞がなければ増えることはできない)

DNA/RNAに対して効力を発揮する『ヨウ素』『紫外線(殺菌灯)』『オゾン(オゾナイザー)』が有効と思われる

この記事の著者

AQUASCAPE

首都圏でアクアリウムの大手メンテナンス会社に勤務し2000回以上のメンテナンスを経験。
アクアリウムの魅力を広げるため初心者向けのコンテンツからディープな話まで幅広く情報発信をしている。
個人宅の水槽からオフィス・クリニックの水槽まで、前職の経験に基づいたアドバイスを提供していきます。
1991年生まれ。

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