タンパク質毒~性質理解で応急処置の知識を!

海の生き物は有毒生物がホントに多い…その中でも多い”タンパク質毒”は、性質上簡易的な応急処置ができるのが救い。
今回は多くの魚類が持っている『タンパク質毒』についての解説です!
”彼を知り己を知れば百戦殆うからず”ということでこの毒について知り、安全なマリンアクアライフを楽しみましょう!
タンパク質毒
多くの魚類が持っている毒素。ただしフグ毒のテトロドトキシンのように毒成分が特定されたものは少なく、総称として”タンパク質毒”と呼ばれている。主成分がタンパク質から出来ているというところは共通している。
タンパク質毒は多くがヒレの棘条や棘から注入されることが多い毒です。
冷凍すると毒性が失われるそう。これが研究が進まない要因にもなっているようです、研究所まで運べないとかで。あと魚が死ぬと毒性が失われていくとかも書かれていますが、たぶんけっこう残ってるので決して毒針には触れないようにしましょうね。
タンパク質毒は熱湯で応急処置が可能
これは有名な話ですが、このタンパク質毒は主成分がタンパク質なので刺された箇所を熱湯に漬けておくと痛みが和らぎます!
タンパク質は高温で変質し固まる性質があります。卵の卵白を想像していただくとわかりやすいです。卵の主成分はタンパク質、透明な卵白は熱すると白く固まります。そして固まった卵白は冷やしても元に戻ることはありません。
タンパク質毒も変質すると毒成分が弱まってくれます。熱湯といってもヤケドしてはいけないので、42~45℃程度の、熱いお風呂くらいの温度に漬けるようにしましょう。
とはいえ、痛みが和らいでも病院を受診することをオススメしておきます。
タンパク質毒を持つ生き物たち
タンパク質毒を持つ生き物は沢山いますが、いくつか紹介しておきましょう。
カサゴ科


他にも磯にいるハオコゼやオニオコゼなど、多くのカサゴ科の魚はヒレに毒棘を持っています。
ゴンズイ

釣りでは嫌われるが、実は顔がカワイイ。海の魚としては少ないナマズの仲間なので飼育しても楽しいかも?
エイ科

毒の強さとしてはかなり強力。死者も出ることがある魚。海のエイは飼育されることが少ないが、淡水エイを飼育する方は注意してくださいね。
アイゴ科

アイゴもヒレに毒棘があります。ヒフキアイゴ、ヒメアイゴ、マジイアイゴが主にアクアリウムで流通してますね。
ガンガゼ

ごくたまーーーにアクアショップで流通することがあるガンガゼ。棘が長いのが特徴で毒があることが広く知られてるウニ。棘は刺さりやすく折れやすい、そして返しがついてて抜けにくい。刺さった棘を抜こうとして折れて砕けて取り出せなくなって…と散々な目に会います…
他にも多くの生き物がタンパク質毒を持っています。棘に毒があるものが多いのが特徴ですね。
タンパク質毒の中でも成分が命名されているものも
毒成分が特定されておらず、名前が付いてないものも多いタンパク質毒。どうやらテトロドトキシンのような食用の際に発生する毒は発生予防や治療のために研究が進むんですが、こういった刺毒は成分特定の研究はなかなか進まないようですね…総じて「熱して対処!」というのができるというのもその理由なんでしょうか…
そんな中でも一部命名されている毒成分もあるようです。
ネオベルコトキシン(オニダルマオコゼ)
”魚類最強の毒”ともいわれるオニダルマオコゼの毒は『ネオベルコトキシン』という名前が付いているようです。
オニダルマオコゼ以外にもこれと組成が似た毒を持っている魚はいるそうですが、とにかくオニダルマオコゼだけは危険すぎるので近づかないようにしましょう…といっても擬態が上手すぎて刺されてから気付くというのがほとんどの事例ですが。。。
ツノダルマオコゼ(ストナストキシン)
オニダルマオコゼとよく似た魚ですが、コチラの毒はストナストキシンという名前が付いてます。こちらも非常に強力な毒ですが、タンパク質毒なのは変わりなく熱である程度は和らいでくれます。ある程度は、ね…
※毒成分の参考→【魚類刺毒に関する生科学的研究/桐明絢(秋田大学)】
【まとめ】
- タンパク質毒はタンパク質を主成分とした毒素の総称
- 熱することで毒の効果を和らげることができる
- 刺毒はタンパク質毒のことが多い
