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害虫に気をつけよう

#マリンアクアリウム#有害生物#水槽メンテナンス業者#水槽飼育#海水水槽

危険なもの

こんにちは、いつも閲覧いただきありがとうございます!

愛媛で水槽メンテナンスサービスをしているAQUASCAPEです。

水槽を続けているとイヤな生き物が増えていくことがあります…

今回はそんな害虫の紹介です。

害虫、といってもホントの虫じゃなくて

水槽内に発生する有害生物についてってことです!

そしてこの記事では有害生物の紹介を、次回の記事で対策を紹介したいと思います!!

カーリー(セイタカイソギンチャク)

カーリー
↑カーリーことセイタカイソギンチャク

知らないうちに薄茶色のイソギンチャクが生えてきた…ってことがあると思います。

こちらは海水水槽ではよく目にする存在で通称カーリーと言われますが、正式名称は『セイタカイソギンチャク』です。

同じくカーリーと言われるものに『スズナリイソギンチャク』ってヤツもいます。

「イソギンチャクだったら海水らしくていいじゃん!」と思うかもしれませんが、どちらも厄介な存在でして。ちなみにクマノミは絶対入ってくれません。

毒性が強いのでサンゴをやっつけちゃいますのでサンゴ水槽では超嫌われ者です。デリケートな魚もコイツとの接触で弱っちゃうとか。肌が弱い人もこれに触ってると痒くなりますね。

そして増殖スピードが早いので放っておくと水槽中カーリーだらけになってしまいます、とても見た目が悪いです…

さらにはその生命力。千切れた体の一部からでも復活することができるそうなのでむやみに潰したりすると逆に増えます。しかもそういった駆除行為をされると危険を察して胞子を出すらしいです。結果大増殖してしまいます…

カーリーの混入経路はほとんどがライブロックに付いて水槽に入ってきます。あとはお店で購入した魚のパッキング水の中に胞子が入ってたとか。

水際対策は難しく、どうしても知らないうちに混入はしてしまうと思います。なので見つけたら早期に駆除するのがいいと思いますね。

ウミケムシ

ウミケムシ
↑水槽で見られるハナオレウミケムシ

コイツは筆者が一番許せない存在ですね、怒

メンテナンス会社に勤めてた時に何度刺されたことか…

コイツは見た目が気持ち悪い不快害虫でありながら、毒毛を持ってるので刺されるという身体的被害もあります。

ちなみに海岸や釣りとかで目にするウミケムシとは違う種類で、だいたいが『ハナオレウミケムシ』ってヤツです。
※釣りで見かける本種のウミケムシは水槽のヤツとは比べ物にならないくらいキモイです……

見た目はゴカイ・イソメに似てますが危険を感じると白い毒毛を逆立ててきます。

毒の成分は『コンプラニン』って成分みたいです。割と最近名称がついた毒みたいで、近いうちに刺された時の対処法もわかってくるかもしれませんね。

いちおう刺されたらお湯につけると痛みや痒みが和らぐ気はしますが…気のせいかも笑

タンパク質系の毒じゃなければ温めても意味は無いですから、そのあたり解明されるといいんですが。。。

ウミケムシは明るいうちは岩の下や小さな隙間、砂の中にいたりします。夜行性で暗くなると出てきたりするので、夜の真っ暗な水槽を覗くと大量発生していることも…

これが日中の明るい時でもチラホラ目撃するような状態でしたら、それはもうヤバいくらい繁殖している証拠です…恐

このウミケムシ、海水水槽だったらほぼ100%いると思ってください。経験上1匹もいない水槽はたぶん無いです…

多くはライブロックからの混入ですが、人工ライブロックの水槽でもそのうち紛れ込んでたりします…たぶんパッキング水に卵とかが混じってるんでしょうかね?

駆除しようとピンセットで頑張っても亀裂くらいの隙間にだって逃げ込めるし、掴めたとしても体が千切れて駆除しきれないことも。ホントに厄介な存在です。。。

いちおう、デトリタスを分解したり砂の中の環境を整える分解者の役割もあるといいますが…それは別の生き物に任せるからウミケムシには退場してもらいたいです……

カニ

キモガニ
↑サンゴに潜むキモガニ

ひとくちにカニといっても、ごく一部のカニのことでして。

『キモガニ』と言われている種類のカニになります。

なんで害虫かというと、サンゴを食べちゃう種類だからです。

毛むくじゃらの小さなカニがサンゴに付いてたら悪いカニです。

あと毛むくじゃらじゃなくてもハサミの先が黒いカニもよくないとは言われてますが…コイツはそんなサンゴを食害してるとか魚を攻撃してるって感じは見たことないです。ただ注意しといた方がいいかもですね。

水槽への侵入経路は買ってきたサンゴに潜んでるパターンと、ライブロックに混じってるパターンですね。

サンゴはフラグじゃなくて大きなホールサイズを買ったときにはご注意くださいませ。

ちなみに、サンゴに付いてるカニでも体がスベスベして色彩豊かなカニは『サンゴガニ』って言って有益な子です。

サンゴの粘液を食べるみたいですが食害するわけではなく、そのはさみでサンゴの天敵を撃退する共生生物です!

シャコ

シャコ
↑シャコ。水槽で見るのは2~4cmくらいで黒色だったり色は様々

寿司ネタで存在は知ってるかも、カマキリの腕のようなはさみ(捕脚)を持つシャコも水槽には入れたくない生物です。

こいつは知らず知らずのうちに魚を殺してしまいます…

特に水槽の調子が悪くないのに、突然魚が死ぬことがある…って場合はシャコを疑った方がいいかもしれません。

水槽をジッと眺めてるとときどき「パチッ!!」って音がすることないでしょうか?ソレはシャコが出してる音の可能性が高いです…

((テッポウエビを入れてたらそちらの音の可能性もありますが…そうなるとややこしい…))

侵入経路はライブロックからの混入です。

正直シャコは水槽に入っちゃうと除去するのがかなり難しいです。。。

ライブロック取り出さないとほぼ無理じゃないかな…

ヒラムシ

ヒラムシ
↑ヒラムシ、色も大きさも様々ですがサンゴに似てるのが付いてたらほぼヒラムシでしょう

ヒラムシは形や色、大きさが様々ですが、平べったいナメクジみたいな生物がヒラムシです。

これはサンゴを食べる害虫です。なので基本サンゴに付いてます。

侵入経路もサンゴに付いてきて水槽内で繁殖してしまいます。

大きめのやつもいますがかなり小さかったりするので、なかなか厄介なヤツです。

そして一番厄介なのは繁殖力。雌雄同体なんですぐに繁殖するし、見えにくい場所に産卵しては増殖を繰り返します。

大繁殖したらもう諦めないといけないレベルになっちゃいます。。

あと、ヒラムシと近い存在で『ミノウミウシ』もサンゴを食害する存在です。繁殖力も同様、水槽に入り込むと非常に厄介です。

なのでサンゴを水槽に入れる前には必ず薬浴して害虫除去するのを推奨します。

シアノバクテリア

シアノバクテリア

こちらは今までと違って生物とはだいぶ違いますが…これも厄介な存在。

淡水水槽でも緑色のシアノバクテリアが発生しますが、海水水槽ではほぼ赤紫のシアノです。

直接的な害を与えるわけではないですが、水槽を覆いつくして景観を損ねる存在です。あとシアノは『シアノトキシン』(藍藻毒)って毒素を生成することもあるみたいなので、やはり放置は望ましくないでしょう。。

ちなみにシアノバクテリアは一番最初に光合成を始めて地球に酸素を生み出した、生き物の生命の源を生み出した原初の生物とも言われてます。億年単位で地球に息づく存在なんですね~

こちらは侵入経路は無く、環境さえ整えば発生します。光の当てすぎや澱みがシアノの発生要因になるので気をつけましょう。

シオグサ(シオグサ科の藻類)

シオグサ

ライブロックに生える硬いケバケバした藻。これも油断してると水槽中を覆いつくしてしまう厄介な存在。。

これも直接的な害を与えるわけでは無いが景観を損ねる存在です。

硬いがゆえに引きちぎれば根元から取れてくれることが多いですが、何度も再発してキリがないです…

侵入経路はなし、強いて言うならライブロックや海水に胞子が付いてることですかね。

光が強いかったり水流が悪いと発生する印象。特に白系の光が強すぎると出やすいような傾向があります。

そしてシオグサは水流が強くても発生することがある気がします。。

トロロ藻(ツユノイト科の藻類)

トロロ藻

これもシオグサと似たような特徴ですが、コチラの方が悩まされる方が多いのではないでしょうか?けっこう発生率高いです…

正式名称調べたけどあまり出てこなかったですが、おそらくコレって種類が『ツユノイト科(Derbesia)』

この系統の藻類を総称してトロロ藻って括られてるみたいですね。

フワフワ・フサフサして大繁殖してしまいます。

シオグサ同様、直接的な害を与えるわけでは無いが景観を損ねる存在。

侵入経路はなし、強いて言うならライブロックや海水に胞子が付いてることかな。

これも光が強すぎたり水流が足りず澱んでいると出やすいです。

トロロ藻は柔らかいので千切っても根っこは残るし、破片が舞ってそこで成長して至る所に大繁殖してしまいます、そうなるともう手が付けられないですね…

【まとめ】

  • カーリー:サンゴに被害
  • ウミケムシ:景観に悪影響・人的被害
  • カニ:サンゴを食害
  • シャコ:魚に被害
  • ヒラムシ(ミノウミウシ):サンゴを食害
  • シアノ/シオグサ/トロロ藻:景観に悪影響

以上、主要な害虫の紹介です。

次回でそれぞれの対策を紹介していきましょう!

この記事の著者

AQUASCAPE

首都圏でアクアリウムの大手メンテナンス会社に勤めたのち独立。
アクアリウムの魅力を広げるため初心者向けのコンテンツからディープな話まで幅広く情報発信をしている。
個人宅の水槽からオフィス・クリニックの水槽まで、前職の経験に基づいたアドバイスを提供していきます。
1991年生まれ。

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