あの有名な病気もコレ~寄生虫病を養殖業界視点で見る

海水魚を飼育したことがある方なら”白点病”はほぼ全ての人が経験されてるんじゃないでしょうか?その白点病も『寄生虫病』です!
寄生虫による病気は養殖業界でも古くから研究されてきた病気。そんな養殖業界視点から寄生虫による病気を見ていくことで、アクアリウムにおける対策のヒントを探ってみましょう!
寄生虫病の種類
寄生虫の中でも大きく4つの分類があるようで、
- 原虫病
- 微胞子虫病
- 粘液胞子虫病
- 大型寄生虫病
この4つが養殖業界で知られているようです。その中でもアクアリウムで発生する病気が多い2つを中心に見ていきましょう。
原虫病
原虫病の分類には『白点病』『ウーディニウム病』『トリコディナ病』『イクチオボド病』が属します。
特に白点病は有名ですよね。
ウーディニウムはコショウ病の別名もある、白点病によく似た症状。でも白点病よりは細かい点々が出ます。
トリコディナは薄い膜が張ったようになって、致死率も高い厄介な病気。
イクチオボドはイクチオ属原虫(Ichthyo~の学名)が引き起こす病気。
大型寄生虫病
大型寄生虫病には『ハダムシ』『ウオジラミ』『アニサキス』などがあります。
ハダムシも有名で被害にあった方は多いんじゃないでしょうか?
そして金魚や鯉を飼っている方にはウオジラミは聞き馴染みがあるんじゃないでしょうか?ウオジラミのことを”チョウ”とも言うのでそっちのほうがピンと来るかも。
アニサキスはアクアリストで無くても一般的に知名度が高いですよね、これも大型寄生虫にあたります。
養殖業界における寄生虫の存在
アクアリウムでもよく聞く病気を挙げましたが、それ以外の病気も含め養殖生簀でも同じ病気が発生し被害を及ぼしています。
では自然界に存在する魚も病気で多大な被害を受けているのか?例えば白点病の原因の”白点虫”は海の中の至る所に存在してると言われます。通説では「海を泳ぎ回っている海水魚で白点病になっている魚は見たことが無い」と言われるので、普通はかからない病気と思われます。
しかし生簀の魚は、実際に自然の海水に晒されていると言っても”閉鎖環境的な場所”です。限られた空間で何百匹の魚が過ごしていると泳ぐスペースが限られるので寄生虫が蔓延しやすいようです。
養殖業界における研究と対策
業界は古くから悩まされた寄生虫たち。それゆえに研究は進んでいるようです。
病原体の特定には遺伝子解析やPCR、顕微鏡で観察することで細かく種類を特定して、対応する対策を研究していってます。
いくつか寄生虫の対策が確立されているものを見ていきますと、
- イクチオボド病:ホルマリン浴…だが今はホルマリンは使えない。完全駆除まではいかないが食酢浴が有効とされているよう。ただ濃度については明記されていなかったので、薄めで試してみるといいかも。
- 白点病:薬浴では硫酸銅とマラカイトグリーン。ホルマリンも有効だが使えないので…
- ハダムシ:淡水浴
イクチオ系の食酢浴というのは意外でした。ただこれは鮭の稚魚で効果を確認されたもののようなので、海水魚に効くかはまだ未検証。。濃度もはっきりとはわかってないので…
しかし白点病とハダムシはアクアリウム業界でもよく知られた方法ですね。養殖業界からの知識なのかもしれません。
他にアクアリウムでは聞き馴染みのない病気ですが、ビバギナ病やカリグス病には『過酸化水素浴(オキシドールH₂O₂)』、吸虫性旋回病や条虫病には『プラジクアンテル』の投与が有効とされています。
オキシドールもアクアリウムでよく使われるアイテムですが、海水魚の一部の寄生虫にも効果が確認されているようです。
プラジクアンテルは利用されてる方も聞くことはありますが、エサに混ぜる経口投与薬です。アクアリウムショップや通販でも売られてたりしますね。主にハダムシに対しての効果をPRしてますが、吸虫や条虫といった寄生虫にも効果があると考えられそうです。

【まとめ】
- 海水魚の病気には寄生虫による病気がある
- 白点病やハダムシ、ウーディニウムやトリコディナなど多くの有名な病気が寄生虫による病気
- 養殖業界で古くから研究されており、アクアリウム業界で普及している治療法も養殖業界から編み出されたものも多いと考えられる
