酸化還元電位(ORP)とは?

酸化還元電位(Oxidation Reduction Potential)を簡単に言うと【水槽の水が酸性になりやすいか、アルカリ性になりやすいかの指標】です。
一昔前まではアクアリストにもORPを計測してるとよく聞きましたが、最近はめっきり聞かなくなりました。
しかし水産養殖などの現場では今でも重要な指標として使われているようです。
そんな酸化還元電位(ORP)について知識を入れておきましょう~
酸化還元電位(ORP)はどう見ればいい?
まず単位は『mV(ミリボルト)』が一般的。
”電位”というワードのように、この指標は酸化と還元の電位差を表しているのでこの単位になります。
酸化しているとプラスの電位、つまりpHが酸性になっていってるということ。
還元しているとマイナスの電位、つまりpHがアルカリ性になっていってるということ。
『ORPが低い → 還元している』ということですね。多くの水槽では酸化が活発でpHが低下しやすいので、ORPが低い状態を目指すのが理想と言えます。
”酸化”とは?
『酸化=酸性になっている状態』というのはなんとなくわかると思います。これをもうちょっと具体的に言いますと、アンモニア→硝酸塩の分解過程を見るとわかりやすいと思います。
アンモニアNH₃ → 亜硝酸NO₂ → 硝酸塩NO₃
これが水槽の濾過の行程なのは基本的な話。これを見てみると、酸素元素Oがどんどん増えていってますよね?
『酸素が増えていってる』=酸化している、というわけです。
これはバクテリアの分解過程ですが、生物が亡くなって腐敗するのも酸化活動です。タンパク質やアミノ酸が分解される過程でも酸素が大量に使われます。
なので急にORPが上昇すると、ライブロックの裏で魚が死んでたりします。ORPはこういった異変を察知する手段として用いられてたんですね。
このように排泄物など有機物が多いと酸化活動が活発になるのでpHが酸性になりやすくなります。
”還元”とは?
硝酸塩の脱窒反応を例とすると、
硝酸塩NO₃→窒素ガスN₂になる、酸化とは逆の反応が起きるのが還元です。酸素Oが無くなっていってるので、酸性物質が減ってアルカリ性に寄っていくわけです。
この反応は基本的に嫌気層で発生します。酸素が無い環境で活動する嫌気性バクテリアは、酸素元素を含むNO₃やPO₄から酸素元素を取り出して利用することで活動しているわけです。
ORPが低い=還元活動が活発と言うことはpHが高めに維持がしやすく、同時に栄養塩の還元が進んでいると推測できます。
養殖ではORPが高い(酸性によってる)方がいい?!
アクアリスト的にはpHの低下は避けたいので、ORPが低い=アルカリ性によってる方がいいのですが、養殖業者においてはORPが高い方がいいという話を聞きました。
なぜかというと、ORPが高い=酸素を沢山消費されているということ。それはつまり好気性バクテリアが活発でアンモニアを山ほど分解されてるということです。
養殖環境ではより多くの魚を飼育するため大量のアンモニアが産出されるので、好気性バクテリアが活動しやすい環境が理想なようです。
好気性バクテリアの活動具合を知るためにORPが重要視されており、ORPが高い=バクテリアの活動が活発ということがわかるようです。
【まとめ】
酸化還元電位(ORP)は
- 水が酸性になるか、アルカリ性になるかを判断する指標
- ORPが高い=酸性によってる
- ORPが低い=アルカリ性によってる
- ORPが高い→生き物が死んでる?過密飼育になってる?
- ORPが低い→嫌気性バクテリアが活発になってる?栄養塩が下がっていってる?
ORPは水槽のpH管理に役立ちます。機材が高価なので普及はしなかった印象ですが、興味ある方は使ってみてはいかがでしょうか?
化学が好きな方にはたまらないアイテムかもしれませんね笑

