ライブロックを入れよう | AQUASCAPE

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ライブロックを入れよう

#マリンアクアリウム#水槽メンテナンス業者#水槽飼育#海水水槽

こんにちは、いつも閲覧ありがとうございます!

愛媛で水槽メンテナンスサービスをしております、AQUASCAPEです。

今回も水槽の中のレイアウト物についての話でして。

今回はレイアウトに使う岩について、解説していきます!

≪岩は天然のライブロック?人工の擬岩?≫

レイアウトに使う岩には『天然』と『人工』があるんです。

それぞれにメリットデメリットがあるんで、それについて解説していきます。

≪天然ライブロックとは≫

これは名前からわかるかもですが、実際に海にあるものを取ってきたものです!

ちなみに

『Lie Block=置いてあるブロック』 じゃなくて

『Live Rock=生きている岩』です。筆者はしばらくLie Blockだと思って前職で仕事してました笑

その名の通り、天然の岩は“生きている”と思ってください!

つまりは良し悪しがあるんです

いわゆる“死んでる岩”ってのもありまして…これを使ってると何回やっても魚が亡くなりやすいです。。

まず、ライブロックのメリットデメリットについて

≪天然ライブロックのメリット≫

①バクテリアが豊富=濾過が良くなる

元々海にあったものなので、始めから水をキレイにするバクテリアが山ほど付いてます!

そのため水槽に入れればすぐに濾過を進めてくれるので

「早く水槽を楽しみたい‼」って方にはオススメですね!

②自然界の良い生物が生息してる可能性がある

これも①の理由に近いですが、バクテリアのような微生物以外にも

水槽で役に立ってくれる生き物ってのもいまして。

それらがオマケで付いてくることがあるんですね。

ヨコエビだったり石灰藻だったり…まぁ人によっては厄介になったりもしますが汗 基本的にいい奴らです!

ちなみに、TOP画像の下側、実際の海の中の岩なんですが

ピンク色の部分が目立つのわかるでしょうか?これがいわゆる『石灰藻』でして

石灰藻がたくさんついてるライブロックが良いです!

逆に白っぽい、緑色っぽいものはあまり質が良くないライブロックですね。

③すぐに使える

これは『人工ライブロックと比べると比較的早く使える』って意味ですが

天然ライブロックは【キュアリング】って作業さえすれば水槽に入れられます。

「キュアリングとは…?」って話ですが、それはこの後のデメリットのところで説明しますね。

≪天然ライブロックのデメリット≫

①基本的に高い

モノによりますが、人工ライブロックよりかは高いことの方が多いです。

1kgあたり¥2,000~4,000とかが多いかな。

小型水槽なら1~2kgくらいでも作れますが、90cm水槽とかだと10kgぐらいは欲しいかな~~

まぁ高くなります。

というのもだいたい飛行機で空輸されてくるのでしょうがない話ではあります…

②状態の良し悪しに左右される

空輸されてくるって話をしたのでイメージしやすいと思いますが

海の中にあるものが何日も空気に触れた状態で送られてくるわけです。。

当然、状態が悪くなるものだって出てきます…

一番簡単に状態を判断しやすいのは『臭い』です。

「どんな臭いがダメなんですか?」についてですが、わかりやすく言うと

「シンプルに臭い!」ってものは良くないヤツです。

あとは見た目の色、これは↑で説明した通り『石灰藻がたくさんついてるかどうか』ですね。

③入手が難しい時代になってきた

これはなぜかと言うと

【世界的に採取が厳しくなっている】という事情からです

正直これが一番ネックになるんですよね…

「岩なんて海に山ほど落ちてるから取ってきたらいいじゃん!?」

と思うかもしれないんですけどね。

水槽やりたい人みんながそう思った結果、

海の中がだいぶ荒らされちゃいまして…

そんで世界的に採取禁止のところが増えてます。。

日本国内は全面的に禁止だし(一部認可を受けて採取できる業者はいるのかな?)

世界最大の採取国と言われたインドネシアでさえ規制がかかっている状況。。

天然ライブロックは近いうちに、それこそ数年以内に流通しなくなる可能性があります。。

今は養殖のライブロックを生産する活動があるので、そちらに期待するしかないですね…

※養殖ライブロックと人工ライブロックは別物です!

④悪い生物が付いてくる

これもけっこう天然ライブロックを嫌がる人の理由のトップになる要因かもしれません…

良い生物が付いてくることもあるなら

悪い生物だって当然付いてくるんです…

特に言うなら『害虫』…ウミケムシ、シャコ、悪いカニetc

しかも水槽に入れた後に駆除は難しいです…

こいつらをなるべく除去するためにやるのが【キュアリング】です。


>>キュアリングのやり方

①ライブロックを海水に入れる。全部沈められる深さがいい

②その中にエアレーションと水流ポンプを入れて稼働させる

これでしばらく放置で完了です。

「それで一体何が変わるの?」ってところですが

『泡や強い水流で岩の中に潜む害虫を追い出してる』ってわけです。

ちなみに、魚やサンゴの病原菌として嫌われがちな『ビブリオ菌』は悪いものも分解してくれたりするもんで

キュアリングにおいて有益な存在だったりもします。

そのあたりは尊敬する【CORAL ROOM】さんが非常に詳しく解説されていますのでリンクを張らせていただきます。

/ビブリオ属細菌とRTN https://coralroom.plantstech.co.jp/vibrio-and-rtn/

だからといって意図的にビブリオ菌を繁殖させようとかしなくていいですからね!


ただキュアリングすると良いバクテリアも追い出してしまう、って意見もあります。

害虫がそんなに気にならない方はしなくてもいいかもしれませんね。

正直どれだけやったところでウミケムシとか不可避な生き物はいます…笑

≪人工ライブロックとは≫

人工ライブロック
ORCAから販売されている人工ライブロック『オーシャンロック』

コチラは天然と違って

セメントとか石灰岩、貝やサンゴ由来のカルシウム成分とかを元にライブロックに似せて作ったものです。

今では各社いろんなメーカーが作られてますね。

だいたいが天然ライブロックとは逆のメリットデメリットだと思っていただければいいです!

≪人工ライブロックのメリット≫

①天然ライブロックよりは安い…?

安い、と思います…モノによっては大差ないかもしれないけど。

②品質が一定

天然ライブロックと比べて品質に大きな差はありません!

強いてあげるならば形状に当たりハズレがあるってことぐらいですかね。

③供給が安定して調達しやすい

海外で作ってるものも多いので、たまーにコンテナの関係で輸入元にすら無いこともありますが…

基本多くのショップさんが在庫してます。

④害虫がいない

人工なので害虫混入の心配はゼロです!

それでも「人工ライブロックでやってるのに害虫がいた!!」と憤慨する方もいるかもしれませんが…

実際このパターンはあるけど、ライブロックに混じってたんじゃないです。

魚を買った時の水に卵があったりと別の要因ですので。。

⑤レイアウトを組みやすい

これは後々の記事で紹介したいと思うんですが、

レイアウトをくっ付ける接着剤が販売されてるんですよね。

それで接着がしやすいです。

天然には表面にいろんなものが付着してるんで、接着剤をつかっても

付着物ごと接着が剝がれてなかなかレイアウトが難しいんです。

人工ライブロックは軽いし接着剤もつけやすく、レイアウトがしやすいです!

≪人工ライブロックのデメリット≫

①バクテリアは付いてない

はい、、もうわかると思いますが、人工物にはバクテリアはいません。

でも使ってるとバクテリアがたくさん住み着いてくれるので、

始めたての時にバクテリアがいない、って話ですね。

②良い生物もいない

そのままの意味ですね…悪いヤツも良いヤツも存在してないです。

③アク抜きが必要だったりする

製品によると思いますが、数日水に漬けてアクを抜いてから使う必要があったりします。

セメントとかが使われてたりするので最初に余計な成分が出てきちゃうことがあるんですね。

その点では天然ライブロックと比べて下準備が長めに必要になります。

【まとめ】

天然ライブロックは

  • バクテリアが豊富、始めたての時に有利
  • 良し悪しがあるのでよく選ぶべし
  • 高かったり、入手が難しいこともある

人工ライブロックは

  • バクテリアはいない、立ち上げに時間がかかる
  • 品質は安定している
  • 供給も安定していて入手しやすい
  • レイアウトが組みやすい

このような感じですね。

個人的には天然ライブロックの方が好きではあります。

実際の海を切り取ってきたかのような水景を作るのが好きなので…

でも近年人工ライブロックの質も向上して見た目がかなり天然に近くなってますし

メリットもたくさんあるのが人工ライブロックですね~~

以上がレイアウト物、ライブロックの天然と人工についての解説でした!

この記事の著者

AQUASCAPE

首都圏でアクアリウムの大手メンテナンス会社に勤めたのち独立。
アクアリウムの魅力を広げるため初心者向けのコンテンツからディープな話まで幅広く情報発信をしている。
個人宅の水槽からオフィス・クリニックの水槽まで、前職の経験に基づいたアドバイスを提供していきます。
1991年生まれ。

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