リービッヒの最小律
こんにちは、愛媛で水槽メンテナンス業者をしているAQUASCAPEです。
今回はアクアリウムで重要な考え方、【リービッヒの最小律】についてのご説明です!
リービッヒの最小律とは
ドイツの科学者が提唱した説で、植物の生長に関わる説で
『必要な栄養素のうち、最も少ないものにのみ影響される』というもの。
植物の三大栄養素に【リン(P)窒素(N)カリウム(K)】があるが、
例えば「リンと窒素が100%足りているとしてもカリウムが50%しかなければ、生長するのは50%の速度にしかならない」という感じです。
水草水槽におけるリービッヒの最小律
これを水草水槽に当てはめると↓のように言われます。

水草水槽の大事な三要素として『光』『CO₂』『栄養素』で言い換えられます。
この場合光は110%で十分すぎる、栄養素も100%要件を満たしているのですが、
CO₂が50%しか足りてないので水草の生長効率は50%しか発揮できません。。。
そして余った光と栄養素はどうなるか?これは水草が使いきれないのでコケが消費します。
その結果コケが多くなって水草の生長がイマイチになってしまうんですね…
なので一部が突出してもそれはむしろ逆効果、全ての要素をバランスよく底上げしていく必要があるんですね。
これが水草水槽でよく言われるリービッヒの最小律です。
※三要素は考え方によって変わります、”水質”も当然重要なのでどれかの項目と入れ替わってたりもします。
海水(サンゴ)水槽のリービッヒの最小律とは?
では海水水槽、もっと言うとサンゴ水槽におけるリービッヒの最小律とは何か?
上の図をそのまま海水に当てはめるならこうなるでしょう、

三要素は『光』『水質』『水流』この3つに言い換えられます。
このうち2つが充分でも、残りの1つが不足していれば成長効率は下がってしまいます。
しかし三要素それぞれの重要度はイコールではないと考えておりまして、
最も重要なのは『水質』と思います!!これは間違いないと思います。
上手にサンゴを育成している方を見てきた中で、必ずしも高性能のライトを使わずともサンゴをキレイに育ててる方はいました。
その方いわく「水質がベストならライトに頼らずとも色揚げは可能」と仰ってました。事実それを体現している水景でした!
そうなると↑のリービッヒの最小律の図は少し誤りがあると思います。
その部分を修正するとこのような図が最適じゃないでしょうか?

すべての大前提に『水質』があり、そのうえで『光』と『水流』が伴うことで最高の状態を創ることができる。
このように考えております。
なので光と水流を完璧に仕上げても水質がダメダメなら成長効率は10%になる。

サンゴが不調な時に機材をアップグレードするのは楽しくていいことですが、まずは水質の見直しをする方がいいかもしれません。
高いライトは見た目も美しいし出来ることも増えていいのですが、それは水槽創りの最後に予算があれば、でいいかもしれませんよ!
【まとめ】
- リービッヒの最小律:「生長率は一番少ない栄養素に左右される」という考え方
- つまり複数の要素がバランスよく存在しなければならない、ということ。
- 水草水槽では例えば『光』『CO₂』『栄養』の三要素で言い換えられる
- 海水=サンゴ水槽では『光』『水質』『水流』の三要素で言い換えられる
- 特に『水質』が重要、その次に『光』と『水流』の要素
これがリービッヒの最小律です。
どれかが突出してもダメ、全ての要素をバランスよく高めていくことで最高の水景を創れるでしょう!
