魚の活動限界~CTmax/CTmin~

【CTmax】 【CTmin】という言葉を聞いたことあるでしょうか?
これは魚の活動限界の温度を表すワードです。
CTmax / CTmin
『Critical thermal max/min』の略称です。
CTmax:臨海最高温度
CTmin:臨海最低温度
となってます。CTmaxが魚が活動できる最高温度、CTminが最低温度、という意味。
ただこのCTは、その温度に到達するとすぐに死んでしまう温度(DT)というわけではなく、活動が出来なくなる温度です。
DT(臨海致死温度)
魚が死亡した時点の温度を『DT=臨海致死温度』と言います。CTとはちょっと違いますね。
平衡喪失について
『CTは活動が出来なくなる温度』ということだが、具体的にどういう状態のことを言うのか?
定義方法はその時々によって違いはあるものの【平衡喪失をした時をCTmax/CTminとする】と言うと定義しやすいと思います。この”平衡喪失”というのは、
例えば25℃の水に魚がいるとして、その水温が5℃/1h(1時間で5℃)変化させたときに行動不能になる状態=平衡喪失が起きたと言えます。
このように『まだ生きてはいるが、行動不能になった時を平衡喪失状態とし、その温度をCTmax/CTmin』と言います。
この『1時間で5℃』までの変化がポイントでして。それ以下の温度変化でゆーっくり温度を変化させていったら変化に順応して耐えることもあるわけです。
そして1時間に5℃以上の変化を与えて行動不能になってしまった場合は「変化が急すぎるからそりゃそうなるよね」ということで平衡喪失とは言いにくい、外的要因による致死現象となりCTの基準にはなりえません。
CTmax/CTminは一定ではない
このCTについてですが、『この魚は〇〇℃がCTminだ』と決まっているわけではありません。
というのも、同じ魚でも場所によって15℃の水温の場所に居たり20℃の水温のところに居たりしますよね?元居た水温が違えばCTも違ってくるわけです。
この”元居た水温”のことを【馴致温度(じゅんちおんど)】と言います。
平衡喪失は『馴致温度から5℃/1hの変動があった時に行動不能になる状態』のことを言うんですね。
これについて調べてあるサイトがあるので↓にリンクを紹介させていただきます。
公益財団法人海洋生物環境研究所『魚類の選好温度と平衡喪失温度』
一部抜粋すると、
| 魚種 | 馴致温度(℃) | CTmax(℃) | CTmin(℃) |
| ウナギ | 10-20 | 26-35 | - |
| マダイ | 14-28 | 27-35 | ― |
| スズキ | 15-29 | 31-38 | 4~10 |
※実験した魚の体長によって馴致温度も変わります。リンク先のページではそれも公表されてます。
このように馴致温度の範囲によってCTは変化しますね。
例えば14℃で暮らしているマダイならCTmaxは27℃になるでしょうし、20℃で暮らしていたマダイでも変化に弱い個体なら27℃がCTmaxになることもあると思います。このあたりは当然ながら個体差がありますが、上記のCTが各魚種の基準と考えてよさそうでしょう。
あとウナギとマダイのCTminは掲載無しですが、もちろん「ウナギとマダイは0℃でも生きられるよ!」ってわけではないので。。
【まとめ】
- CTmax:活動不能になる最高温度
- CTmin:活動不能になる最低温度
- DT:死に至った時の温度
- 平衡喪失:活動不能になった状態。1時間に5℃変化した時に発生した場合を平衡喪失とみなす。
- 馴致温度:魚が元居た水温

