SPSにはこれ!!カルシウムリアクター | AQUASCAPE

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SPSにはこれ!!カルシウムリアクター

#サンゴ水槽#マリンアクアリウム#リーフタンク#水槽メンテナンス業者

こんにちは、愛媛県で水槽メンテナンスサービスをしているAQUASCAPEです。

今回サンゴ水槽で活躍する機材、カルシウムリアクターについて話していこうと思います!

ガッツリサンゴ水槽をやらないとなかなか使う機会が無いカルシウムリアクターについて、どんなものかというと↓

OCTOカルシウムリアクター
OCTO製カルシウムリアクター『CR-100』(LSS研究所/OCTO)

こんな機材です。初見だと何じゃこりゃ?って感じですよね…筆者も構造理解するのにけっこうかかりました…。

カルシウムリアクターってなに?

まず何をする機材かというと、【サンゴの成長に必要な栄養素を供給する】ものになります。

名前からわかる通りカルシウムCaを供給するんですが、ただカルシウムだけの機材ではありません!

CaだけでなくKHやマグネシウムMgやストロンチウムSr等微量元素も供給できるようになってます!

いわゆるサンゴの骨格造りに必要な成分をおおかたカバーしてくれるアイテムです!そう聞くと有用性を感じやすいでしょうかね?

カルシウムリアクターってあまり聞いたこと無いけど?

しかしこの機材、使ったことも無ければ聞き馴染みも無い方が多いんじゃないでしょうか?

その理由の①つが高難易度のSPSで効果的な機材だからです。

もちろんLPSも骨格を造るのでSPSに限った話ではないですが、SPSは骨格形成が早くCaやKHなどの成分の消費が早いです。

そのためLPSよりSPSの方がこの機材の必要性が高くなります。逆を言えばLPSはカルシウムリアクターを使うほどでは…ってことです。

さらに言えばSPSは高難易度に加えて維持費も高くなる傾向があるため、手を出す人が少ないんですね…近年は小型水槽でもSPSを飼育できるようになってきましたが、カルシウムリアクターは小型水槽にはとても取り付けにくく、選択肢から外れます…

そして聞き馴染みない②つ目の理由は機材が高額なことですね…

↑のモデルでもだいたい5万円は超えてきます。さらに本体だけじゃなく他にも揃えないといけないものがあるため、初期費用が高額になるので手を出しにくいわけです…。

本体以外に必要なものは?

①CO₂ボンベ(ミドボン)

CO₂ボンベ
通称ミドボン。

こちら、CO₂ボンベです。

「こんなものどこで調達するん?」って思っちゃいますが、アクアリウムのショップさんで売ってたり居酒屋さんに相談したら充填の代行してくれたりします!

ただ注意していただきたいのが、だいたいのアクアリウムショップや酒屋さんはレンタルってカタチで出してくれますので、これ持ったまま遠くへ引っ越しちゃうとかは止めてあげてください!!

ボンベにはそれぞれ番号が振られてまして、ショップや酒屋に卸してるボンベ会社が貸し出して管理してるので行方不明になったらお店はとっても困ります…

ちなみに、こういったボンベは中に入れる気体によって法律で色が分けられてます!

緑はCO₂、酸素は黒です。これ間違えると大事故に繋がるので、色分けで間違いが起こらないようにしてます。

②CO₂レギュレーター

レギュレーター
CO₂レギュレーター。意外とネットで簡単に調達可能です

ボンベだけあっても使えないので、レギュレーターってのが必要です。

これは水草水槽でもよく使われるため、アクアリウム用品のレギュレーターで検索すればけっこう種類が出てきます!

CO₂のレギュレーターであれば基本どれでも大丈夫ですよ~(ニードルバルブっていうネジみたいな吐出量調整が付いてると操作しやすいです)

なぜなら基本的にボンベの接続口金はガス種別によって規格が決まってるので、CO₂のものであればまず間違いなく取り付けられるからです!

③耐圧チューブと接続部品

耐圧チューブ
耐圧チューブ。細くて硬い
耐圧チューブ接続部品
耐圧チューブを繫ぐ接続部品。『メールコネクタ』って検索すると見つかりやすいかな
耐圧チューブ塩ビ接続
塩ビパイプから接続するならこういう変換も必要。。

レギュレーターを使うならこういうアイテムも必要。

水草水槽のCO₂設置ならだいたい必要なものが一緒になってるんだけど、こういったパーツを一から揃えようとすると頭が痛くなってきますね…汗

というのもこれら用品に馴染みが無いってのもあるし、耐圧チューブはサイズがセンチcmじゃなくてインチがほとんどで1/4インチだったりとややこしいです…

なので各接続アイテムは全部サイズをしっかり確認してください…

④メディア

カルシウムリアクターのメディア

そしてカルシウムリアクターの中に入れるのがこの”メディア”ってやつ。

製品によって形はさまざま。画像のはただのサンゴ礫に見えますが、それもそのはず。

メディアの多くはサンゴの骨格を元に作られてます!主に炭酸カルシウムでできたものがメディアとして利用されるんですが、これがまさにサンゴの骨なんですよね。

サンゴの骨を作る栄養素をサンゴの骨を溶かしてゲットしている…ある意味リサイクルです…!

カルシウムリアクターの仕組みは?

ようやく仕組みの解説ですが、

↑で出たメディアを溶かして成分を供給するんですが、このメディアを溶かすためにCO₂を使います。

リアクター内にCO₂を注入してpHを6.0ぐらいまで下げます。するとメディアが溶け出して成分が流出するんで、その水を水槽に戻して成分を維持する仕組みです。

そうすると「pH下がった水を水槽に戻すの?!」ということになるんですが、実際その通りです。

サンゴ水槽ではあまりpHが下がるような行動はとりたくないところ。そこでpHをリカバーするために

戻し水はプロテインスキマーの給水口近くに戻すといいです!

そうするとプロテインスキマーの大量の酸素供給でCO₂を飛ばしてある程度pHを戻してくれます。

カルシウムリアクターのメンテナンスは?

まずは定期的に添加量が正しいかチェックしてあげてください。

知らず知らずのうちに過剰添加になっててKHやCaが爆上がりしてることがありますので…

「初回でバッチリ調整したから大丈夫!」と思ってもサンゴが成長していくと消費量も変わりますし、逆に調子を崩すと消費量が減って過剰添加になってることも…「1週間に1回水質検査」などルーティンを決めてチェックしていきましょう。

そしてメディアにだんだん汚れが溜まってきますので、そうすると効率が落ちてしまうので掃除しましょう。

でもこの掃除の頻度はだいたい数か月に1回くらいですし、洗うのは飼育水じゃなくて水道水でOKです、ここは楽ですよね~

普通こういう濾材みたいなやつは飼育水が原則ですが、リアクターのメディアは別。というのもバクテリアを増やそうとしてるものじゃないから。むしろバクテリアが付くと表面にバクテリアのフィルムができて溶けにくくなるので、水道水の方が理にかなっているんです!

あと、メディアが減ってきたら足してあげてください。

大がかりな機材ですが、最初の調整さえ済ませたら意外と手がかかりません!!

【まとめ】

  • カルシウムリアクターはCaだけじゃなくKHやMgなど骨格形成に必要な成分を広くカバー
  • SPS水槽向け
  • 初期費用が高いけど維持メンテナンスは楽なほう

なかなか高額で聞き馴染みのない機材ですが、これがあると難しくて手を出せなかったSPS飼育をかなり助けてくれます!

この記事の著者

AQUASCAPE

首都圏でアクアリウムの大手メンテナンス会社に勤務し2000回以上のメンテナンスを経験。
アクアリウムの魅力を広げるため初心者向けのコンテンツからディープな話まで幅広く情報発信をしている。
個人宅の水槽からオフィス・クリニックの水槽まで、前職の経験に基づいたアドバイスを提供していきます。
1991年生まれ。

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