

塩分濃度を知ろう~屈折計・デジタル計

こんにちは、いつも閲覧ありがとうございます!
愛媛で水槽メンテナンスサービスをしております、AQUASCAPEです。
今回は前回の続きです、塩分濃度の計測について!
前回「比重計は安いけど精度には難ありだよ、でも通常そんな問題ないけどね~」
って話をしました。
そこで今回は筆者の推しの塩分濃度計『屈折計』だったり、精度なら一番なんじゃないかと思う「デジタル計」についても触れていこうと思いますね。
【これがイチオシ!屈折計】
前回も触れてた『屈折計』タイプをようやく紹介します‼
実物はこんな感じ↓


これ、前職からずっと愛用してるヤツです!
LSS研究所さんが出してるヤツですね、『サリニティーメーター』とか言うてたりします。
この屈折計で測るのが“比重”ではなく“塩分濃度”です(比重も表示されるんですけどね)
どうやって濃度を計測してるかというと
液体の屈折率を利用して「この水にこのぐらい塩分が入ってる」というのを割り出してます。
なので“光”を使って計測してるんですね。
ですから明るい場所で使ってくださいね、暗い場所だと見えないです…
主は使用するときはなるべく同じ光源で見るようにしてます。
『一回目は部屋の電気で見て、二回目は外の自然光で見る』みたいなことはしてません。
あんま影響ないとは思うけど…光の屈折率使ってるんだから光源が変わったら値も変わるだろ!って思っちゃうんで…
そしてコチラ、ちゃんと水を垂らす用のスポイトも付いてますので!



そして後ろのレンズから覗けば値が示されてます。この時“塩分濃度”の値を見てくださいね!
だいたいは右側の数値です。0~50とかの目盛り。
1.000~1.050みたいな左側のヤツは比重になります。
スポイト使わず直接水に差してやっちゃっても壊れるわけじゃないけど、丁寧に扱ってあげた方がいいですよ…
校正ネジのとこまでドボンしたら壊れるのでやめましょうね!!
んで、測るときは毎回校正してから測ることをオススメします。わりとブレますので。
「校正どうやるの!?」
画像のところに校正ネジみたいなのありますんで、


計測するところに“できれば”純水を垂らして、これが0.000に合うようにネジを左右に回して調整すればOKですよ。 ※水道水でもだいたいは大丈夫です
LSSさんのヤツは校正ネジ回すドライバーもついてますからね!
なお、使ったら水滴はキレイに拭き取りましょう、塩分残ると計測ブレちゃいますので。
【屈折計のいいところ】
そして屈折計のスゴイところがもう一つ!
だいたいのメーカーのヤツにはついてるんですが、【自動温度補正機能(ATC)】があるんです。
ATC…Auto Temperature Control ですね。
本体にATCとか書いてればこの機能備わってますんで。
前回でちょっと触れてたんですが、塩分濃度も温度の影響は受けちゃいます。
4℃変わるとだいたい1‰(パーミル)ブレます。
「パーミルって何?」ってなるかもしれませんので補足すると、1%の1/10です。
%は百分率、‰は千分率です。これならわかりやすいですかね?
塩分濃度は‰で表しまして、33‰ = 3.3% ってことですね。
つまり4℃変わると0.1%ズレるんです。
「すっごい誤差の世界やん、影響ないやん」って思いがちかもですが
侮るなかれですよ…これで不調になる生き物もわりといるので…
んでんで、ATCの話に戻りましょう。。
これがあると何が助かるかというと
①校正で使う水の温度合わせしなくていい
②水替えで作ってる海水の温度合わせしなくていい
ってとこです。
まぁ②はこのあと水替えするんだから温度合わせなきゃなんですが…
①については いちいち校正するために温度ピッタリ合わせた水用意するの面倒くさいですよね。。
それをATCでラクに終わらせられちゃうんです。
そしてこの機能、使い方は簡単です。
【水を垂らした後、30秒~1分ほど待つ】これだけです!そのあと覗いて数値確認してください。
待ち時間はメーカー次第ですね、使う前にチェックしましょう~
それと、ATCの補足ですが
アクア用品の屈折計はだいたい水槽の適正温度に自動補正してくれるようになってます。
ほとんどのメーカーは25℃だと思うんですけど
この後紹介するATAGOさんは20℃と低めの値になってるんでご注意を。
【屈折計界隈最高峰、ATAGO屈折計】
そして…屈折計界隈で最高峰と言われるのがコチラ↓


ATAGOさんの屈折計『MasterS/Mill α』です!!
こちら、屈折計の中で最も正確と言われてる逸品です。
ATAGOさんはいろんな成分の計測機器を作ってる会社です。
「桃の糖度が○○%~」とか、その度数を測る機器がATAGOさんのヤツですね~~
飲食店の経験ある方は意外と聞き馴染みあるんじゃないでしょうか?
このATAGO屈折計がですね~、カッコイイんですよ~!
まずデザインが素晴らしいです…!このフォルム♪
それと注文した時に届く梱包袋もオシャレでしてね…もう捨てちゃったけどしばらく保管してました笑
他にも魅力を伝えていきますとですね~
最高峰と言われるだけあって、お値段はプレミアムなんですよ~笑
公式ショップで現在税込¥22,000!!!
他を圧倒するお値段なんですよ~~
お高いからにはオプションがスゴイんだろう、と。
海水とるときのスポイトくらい当然…
当然、ついてません……… ついてないんです!!笑
しかしまぁ、校正ネジを調節するドライバーはある……あr……
無いんですよ~~~…! 驚
でもでも!LSSさんのにもついてる、測定ガラス部分を拭き取る布ぐらいは…
無い! もちろん無いッッ!!
何も無いんです。 付属品は甘えと言わんばかりに…笑
はい。ATAGO屈折計は精度とデザイン性を高めた逸品ということでした…!!!
…さんざんイジった感じにはなりましたが
筆者はATAGO屈折計をとっっても大事にしてますし、
購入に一切の後悔はありませんし、
非常に信頼を寄せております! これホントです!!
いいモノ使うとモチベーションも爆上がりです~!
【正確性なら デジタル計】
最後にデジタルの塩分濃度計のご紹介です。
これは海水をとって点滴すると計測できるものや
海水に突っ込んで計測するものなどがあります。
一番の利点は数値で表示されること!
屈折計は目盛りが細かいのと
そういった性質上どうしても人によって見え方が違ったり
細かい数字まで見えなかったり
(33‰と34‰の間だと正確にはいくら?どっちなの?ってなったり)
そういった人間が行うことによって生じる“アラ”を極力無くしてくれるので
精度においてはやはりデジタルがいいでしょう。
お高いけどね…笑
≪まとめると…≫
どれがいいか?
やはりそれは『金額』と『どこまで精度を求めるか』によるでしょう。
お金は惜しまず、とことん水槽を突き詰めたい! のならデジタルがいいでしょう。
手軽に気楽に~ という感じなら比重計でいいでしょう。
そんな様々な事情を考慮したうえで主の意見としては
やはり屈折計です。
値段もメーカーによっては¥4,000くらいで手が届きやすいし
取り扱いも手軽でいいです。
デジタル計は電池なり稼働に電力が必要ですが
屈折計は電気で動いていないのでランニングコストは無しと言っていいでしょう。
そして一番のメリットと考えてるのが『校正のしやすさ』の部分です。
比重計は新品でもムラがあると伝えました。
デジタルは正確です、けどその精度を維持するには定期的な校正が必要です。
「定期的な校正が必要なのは他もそうでしょ?」
もちろんそうです。。
ただデジタル計の校正は校正が複雑だったり、専用の消耗品が必要だったりすることが多い傾向あります。
その点、屈折計はキレイな水道水で十分事足ります(メーカーは精製した純水を推奨してますが)
校正の操作も簡単なんです。
なので屈折計を推してます!!
「あのメーカーのデジタル計は校正スゴイ楽ですよ!」とか
「この比重計は精度めっちゃ高いんですよ!」とか そんな情報あれば教えていただけると幸いです。
屈折計信者になっちゃってて最新の計測事情に疎くなってる可能性もあるんで…ゴメンネ


