養殖業界から見る~ハダムシ | AQUASCAPE

BLOG & INFO

ディープラーニング

養殖業界から見る~ハダムシ

#マリンアクアリウム#水槽メンテナンスサービス#水槽飼育#海水水槽#海水魚

ブリハダムシ

アクアリウムの寄生虫ではけっこう有名な『ハダムシ』。遭遇したアクアリストも多いんじゃないでしょうか?

今回の記事ではハダムシについて養殖業界の視点から読み解いていきましょう。

アクアリウム業界では知られてない知識を得られるかもしれません!

ハダムシとは?

ハダムシ
↑右側は後端部の固着盤。2対の鉤がある

魚の体表に付着して寄生し、上皮細胞を食べる。大きさは数mm~10mmほどなので目視可能。だいたい2~3mmくらいのものが多いだろう。

生きている時は透明のため気付きにくいが、寄生された魚が体をいろんなところに擦り付けるので気付けることがある。死亡すると体が白くなるので一目で確認できるようになる。

卵で増えるが、その卵には数mmの糸状のもの(フィラメント)が付いている。エアチューブやホースに付着していることがある。そして適温環境だと数分に1個産卵をすることがあるので、発見が遅れると蔓延することがある。養殖生簀では一度発生すると高確率で網に卵が付着しているようです。なお、雌雄同体なのでめちゃくちゃ産卵する。

養殖業の被害レベル

ハダムシ自体で死亡することはあまりないが、放置していると大量発生してしまう。そうすると重篤化して被害が出始める。

加えて見た目の悪さから商品価値が落ちてしまう。

また、寄生によって体を擦り付けることでできた傷口から細菌感染病を発症することで大量死亡が起きることもあるため、万病のもとと言える。

養殖業界の対策

絶対数を減らす

生まれたばかりの幼生は光に集まる習性があるので、生簀を遮光シートで覆うことで明るい生簀外に幼生を追い出し寄生量を減らす方法がある。

生簀の網には卵が付着している可能性が高いので、網を入れ替える方法もある。

どちらの方法も寄生虫の”生活環を遮断”していることに注目。遮光で幼生を追い出すのは幼生を遮断、網の交換は卵を遮断することで寄生虫の生活環を断つことで対策している。

そして幼生期は摂餌(=寄生)をしないそうで、成虫になっても宿主に数日間辿り着けなければ死亡するとされている。寿命がかなり短いようだ。

治療する

ハダムシは浸透圧の差で殺せるので、淡水浴で駆虫する。

他にも養殖業界では過酸化水素が主成分の駆虫薬による薬浴、またはプラジクアンテルを経口投与して駆虫する方法も使われている。

なお、淡水魚の寄生虫(ウオジラミなど)には塩水浴で対処する。

アクアリウムにおける対処は?

通説通り、簡単な対処は淡水浴。これは養殖業界でも共通の見解。

他には過酸化水素(=オキシドール、H₂O₂)の有効性が認められているよう。しかしわざわざ過酸化水素を使うより淡水浴の方がお手軽だろう。

プラジクアンテルはエサに混ぜる手間は必要なものの、アクアリウムにおいても利用価値があると思われる。

そして生活環の遮断という点では、水槽内の卵の駆除。卵に数mmの糸があるので、チューブやコードなどがあるとそこに付着していることがある、よくチェックしよう。

宿主に数日辿り着けないと死亡するという点から、発生したら一週間ほど魚を別の隔離水槽に移すことでもハダムシを撲滅できる可能性があるかもしれない

この記事の著者

AQUASCAPE

首都圏でアクアリウムの大手メンテナンス会社に勤務し2000回以上のメンテナンスを経験。
アクアリウムの魅力を広げるため初心者向けのコンテンツからディープな話まで幅広く情報発信をしている。
個人宅の水槽からオフィス・クリニックの水槽まで、前職の経験に基づいたアドバイスを提供していきます。
1991年生まれ。

コメントは受け付けていません。

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2025 AQUASCAPE All Rights Reserved.

CLOSE