微量元素③~過剰に注意な微量元素

前回までの記事で主要元素や聞き馴染みある元素の適正範囲を見ましたが、最後はもっと聞き馴染みのない微量元素について見ていきます。
ICPで測れる、ごく僅かな微量元素
こちらは適正範囲と言うより【検出されない方がいい元素】も多くなってきます。
過剰になるとNGの微量元素(単位1μg/L)
| 元素名 | 元素記号 | 適正範囲 | 補足 |
| リチウム | Li | 180-350 | |
| ベリリウム | Be | 0.1-1.4 | |
| バリウム | Ba | 5-50 | |
| チタン | Ti | 0.5-3.5 | |
| アルミニウム | Al | 5-30 | |
| ヒ素 | As | -1 | 無い方がいい |
| アンチモン | Sb | -10 | 無い方がいい |
| スズ | Sn | -10 | 無い方がいい |
| カドミウム | Cd | -1 | 無い方がいい |
| セレン | Se | 0.9-5.5 | |
| 水銀 | Hg | -1 | 無い方がいい |
| タングステン | W | -30 | |
| 銀 | Ag | -10 | 無い方がいい |
| スカンジウム | Sc | -1 | 無い方がいい |
| ジルコニウム | Zr | 1-2.2 | |
| ランタン | La | 2-10 | |
| 鉛 | Pb | -1 | 無い方がいい |
なぜ不要な成分が検出されるのか?
水道水に含まれている
多くはコレが原因じゃないでしょうか。
水道水で海水を作っていると、その水道に含まれている成分が検出されてしまいます。
これはお住まいの地域の水道局が水質検査の結果を発表していたりするので、そこから推測ができるかもしれません。
また、水道局の水質検査はクリアしても水道管が古くて余計な成分が溶け出してることもあります…
機材からの溶出
「RO水を使っているのに金属類の元素が検出される…」これはどこから混入しているのか?
考えられるのが水流ポンプやヒーターなどの機材からの溶出です。
実際 銅Cu、錫(スズ)Sn、水銀Hgなどが機材から溶け出していたという事例があるようです。かつてのお客様でもスズがオーバーしていることがありました。
しかし、だからといってそのために機材を総取替えというのもコストが厳しい…そういった場合は
水換え量を増やしたり、重金属除去の吸着剤を使用するのも手でしょう。

コチラは銅など重金属を除去する吸着剤です。銅は魚病薬として使用するものも除去してくれるので、活性炭同様に薬抜きとしても使用できるようです。
吸着剤からの溶出
多いのが鉄FeやアルミAlの過剰。これはリン酸塩吸着剤として鉄系やアルミナ系の吸着剤を入れていると過剰になりがち。
アルミナ系の吸着剤を入れていた現場ではアルミAlの過剰が見られました。
微量元素過剰に対する対策
RO水の使用
不要な微量元素混入に対する一番の対策は【RO水を使うこと】でしょう。RO浄水器もイオン交換樹脂やフィルターが古いと除去されないので定期的な交換を忘れないようにしましょう。
水換えでリセット
ごく僅かな成分の微量元素、しかも複数あるものを1つずつ対処するのは非効率だし難しいです。
そんなときは水換えで全ての成分をリセットしてやるのがいいでしょう。
人工海水は全ての成分をバランスよく調整したものです。良い成分も不要な成分も全てちょうどよく調整された人工海水でニュートラルな状態に戻してやるといいでしょう。
人工海水の選定
実は人工海水によっては含まれる微量元素も変わります。良い人工海水はこの辺りまで細かく調整されていたりします。
しかしメーカーが細心の注意を払って製造していても、ロット(ある一定期間に製造された製品)によって成分の偏りがあることも。なので絶対安心と言うわけでもなかったり…
これについてAquaforestの人工海水はロット毎に水質検査をしており、製造番号によって水質がどのくらいで仕上がってるか確認することができます。ものすごくこだわってる方にはありがたいサービスですね。

【まとめ】
過剰になるとNGな微量元素、無い方がいい成分もある
不要な元素が過剰になる原因は
- 水道水からの混入
- 機材からの溶出
- 吸着剤からの溶出
不要な元素への対策は
- RO水の利用
- 水換えでリセット
- 人工海水の選定
以上、微量元素についてでした。ここまで気にしだすとマリンアクアリウム、リーフタンクがいかに繊細なバランスで成り立っているかがわかりますね。

