自家採集の注意点~自然公園法、漁業権など | AQUASCAPE

BLOG & INFO

ブログ

自家採集の注意点~自然公園法、漁業権など

#水槽メンテナンスサービス#水槽飼育#法律関係#海水魚

海水魚水槽をやっていると自分で捕ってきた魚も飼ってみたいと思う方も多いはず。でも気をつけないと法律で罰せられることもあります。

今回は採集に関わる法律周りのことについてまとめてみました。

1.漁業権で保護されている生物

これは皆さん知ってる方も多いでしょう。

ほぼ全ての沿岸海域には漁業権があり、漁協組合員など漁業権を持っている人以外は魚を取ることが禁止されています。

その禁止対象の生き物はそれぞれの海を管理している漁協組合に確認をとるのが一番手っ取り早いです。けっこう組合ごとに違ってるので。

ただ、漁業権で保護されてる魚は食用価値のある魚が多く、水槽で飼育する魚はあまり対象にはなってないですね。

しかし!注意すべきなのは貝類です。水槽のコケ掃除役としてシッタカ貝やマガキガイを利用している方は多いと思いますが、この貝類はけっこう漁業権で規制されていることが多いです!

2.そもそも捕ってはいけない~サンゴ類(ハードコーラル)

ナンヨウハギ
撮影地:高知県大月町柏島 サンゴの隙間にナンヨウハギ(ドリー)の幼魚が隠れていた

日本国内では漁業権どうこう以前にサンゴは捕っちゃダメです

捕っていいのは沖縄などで正式に許可されたごく一部の事業者さんくらいです。

なお、サンゴといってもハードコーラル、硬い骨格を持つLPSやSPSは全面的に禁止で、ソフトコーラルは対象外みたいです。(例外で採集禁止のヤツもいますが)

聞いた話では数種類だけ採集禁止になってないハードコーラルが数種類あると聞いたことがありますが、調べても出てこなかったですね…基本ハードコーラルは全部NGだと思ってた方がいいでしょう。

サンゴは傷付けるのもダメなので、ダイビングする時もインストラクターから「サンゴには触らない、乗らない、着底しない」と周知されることがあります。(触ると刺されるサンゴもいるので安全面でも触らない方がいいですよ!ファイヤーコーラルとか)

海水魚の自家採集をしている人の中には、サンゴの隙間に隠れた魚を捕るためにサンゴごとへし折って採集しちゃうような悪質な方もいるようです…

海水浴場でシュノーケリングしてる時に、特に台風や高波も無かったのに不自然にサンゴが折れてる場面を見ることがあるますが…人間に折られてないといいんですけどね…

3.絶滅危惧種など保護されている生物

絶滅危惧種(レッドリスト)に指定されている生き物は捕っちゃダメです。もちろんながら。

国内ではワシントン条約対象の海水魚ってのはあまり聞いたことがないですが、絶滅危惧種指定されている種類はいたりしますね。

なおこの絶滅危惧種、国単位で指定されていたり都道府県や市町村単位で指定されていることもあります。

この絶滅危惧種ですが、程度に応じてカテゴリ分けされてます。(環境省HPより

絶滅(EX)既に絶滅した種
野生絶滅(EW)自然下では絶滅した種。飼育下でのみ生存
絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)絶滅しかけてる
絶滅危惧ⅠA類(CR)近い将来野生で絶滅する危険性が高い
絶滅危惧ⅠB類(EN)1Aほどじゃないけど野生で絶滅する危険性が高い
絶滅危惧Ⅱ類(VU)絶滅の危険性が高まってる
準絶滅危惧(NT)まだ絶滅しないが、近い将来絶滅危惧になりそうな種類
情報不足(DD)情報不足でまだ評価できない
絶滅のおそれがある地域個体群(LP)その地域では絶滅しそうな種類

※末尾のアルファベットはカテゴリの頭文字でした

例えば海水魚ではコクハンアラが絶滅危惧Ⅱ類でした。ダイビングで見ることがあるかな。

そしてマリンアクアリウムで流通してるキイロサンゴハゼは準絶滅危惧だったり。

ちなみに、そもそも採集しちゃいけないサンゴの中では

ヒユサンゴ(オオバナサンゴ)やオオナガレハナサンゴ(トランペットコーラル)は絶滅危惧Ⅱ類です。

オオバナサンゴ
↑これはオオバナサンゴ(ヒユサンゴ)

過去にネットの個人売買でこのあたりのサンゴを売買してたら通報をくらったという話がありました。ショップで流通してるのは海外から正式な手続きを通して入荷してるものなんで基本大丈夫ですが、個人売買だとホントにショップで買ったものなのか?って疑いが晴れないからかこういう事態になるんでしょうかね…?

.自然公園法~保護されてる海域

↑の漁業権にもレッドリストにも触れてない種だから自家採集しよう!と思った方、もうちょっとお待ちください…!

採集する場所によってはNGの場合があります。それが【自然公園法】の関係。

この自然公園法は山川海含めて全ての自然環境を保護する目的で、そのエリアが設定されています。

なのでこの法律で山で植物や苔を捕ってはいけないように規制されています。

そして特にアクアリストが関わるのは海域公園地区。

環境省の生物多様性センターのHPで確認してみました。

松山~海洋公園地区
↑愛媛県松山市周辺のマップ
宇和島~海洋公園地区
↑愛媛県宇和島市三浦周辺のマップ

このようにエリアが設定されてますね。

【特別保護地区】は一番厳しく規制されているエリア。採集や土地開発は基本NG。研究のために必要な人が許可を得てはじめていじれるエリア。

【海域公園地区】は特別保護地区の海バージョンみたいな位置づけ。魚の採集はもちろん海中の砂利を陸に上げることすらNG。つまり見るだけで何もしないことが前提ですね。

その次に特別地域が設定され【第1種~第3種特別地域】まで段階分けしてあります。特別保護区の次に第1種地域が厳しく、第3地域が規制が緩い。

最後に最も規制が緩いのが【普通区域】。自然公園の地域内ではあるが、規制が最も緩い。

これは特別保護地区と生活圏の緩衝地としての役割があるようです。生活圏から一歩踏み入れたら途端に植物も昆虫も、魚だって採集NG、となると変化が急過ぎて生活に支障がでるよね?ということでこういった区域があるようです。

普通地域が他と違うのは申請の関係。自然公園区域で土地開発や採集を行うには申請が必要なんですが、↑の特別保護地区~第3種特別地域までは許可がないとダメ。でも普通地域だけは事前届出制(当然届け出したうえでダメ、って言われたらNGですが…)

このように自然公園法の基に設定されたエリアでの採集は特に注意です。

なにやら「普通地域では普通に採集しても問題ないよ~」という意見もあるようですが…調べてみた感じはなんかグレーゾーンな感じ…。なので普通地域でも止めといた方がいいと思いますね…

【まとめ】

  • 漁業権が関わる種は捕っちゃダメ。漁協組合に確認すべし
  • サンゴは捕っちゃダメ
  • 絶滅危惧種は捕っちゃダメ。準絶滅危惧も止めときましょう
  • 採集するなら自然公園法の区域外で

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記

Copyright © 2025 AQUASCAPE All Rights Reserved.

CLOSE